今年の新潟行きと閑話休題静物の話

昨年中は再び行こうと考えていたのだが、今年に入って予定を立てる頃合いでコロナ肺炎騒動が勃発したため新潟行きの計画が遅々として進められずにいた。感染を助長するとか感染するとか心配している訳でなく、世の中の動向に煽られて予定されていたあれこれが踏んだり蹴ったりの結果が踏ん切りを悪くしていたのだ。

新潟市は私が小学1、2年を過ごしただけの土地ながら、たぶん私の本質を形づくった場所で、砂漠とか砂丘とか荒涼とした何もない場所にこだわって撮影しているのも新潟で経験した自然や風土そのままの影響だ。

踏ん切り悪くしていても何も改善されないし、短い人生の時間を無駄にするだけなので今年も新潟へ行く。

私の近況はこんな感じだが、さて皆さんはいかがお過ごしだろうか。

なかなか撮影に出かけられない方は静物撮影なんてどうだろう。

かく言う私も、新潟行きまで予定が狂いまくっているなかぼうっとしていると心身ともによくないので静物撮影を淡々と行なっている。ちょうどよいことに花の季節が巡ってきて、毎年撮影用に栽培しているチューリップがいよいよつぼみをつけようとしている。

で、水仙を撮影した。概要がわかる写真(作例風)を紹介するが、いずれ他の別物カットを現像の精緻化を経て選別してギャラリーに掲載する予定だ。別物を仕上げるけれど、掲載のカットの花の描写に片鱗が現れているし、この描写をしたくてライティングを組み立てた。

静物撮影は偶然性が介入する隙が少なくあれこれ自分で必然を組み立てる比率が高いので、自分のなにもかもを試されるような気になる。この水仙は某所にあるJAの直売店で見つけて買った花束なのだけど、売り場のバケツに入っている姿そのものに心惹かれ、そのまんまの”まとまり”で撮影したかったのだけど、これがなかなか難儀でシャッターを切るまでまる一日かかった。

まず心惹かれたからといって、そのまんまの束ではダメ。ということで適宜並び替えて配列を塩梅するまでのやもやした時間と、束をつくり直すのにほとんどの時間が割かれた。

私の花の作品は、花をそのまんまに撮影しない。私が解釈した花にするので「売り場のバケツに入っている姿そのもの」の印象をどこまで生かしてどこまで矯めるか悩んだ。解釈はほとんどライティングで決まる。なので、いつもとは違うライティングを組み立てた。

みなさんは馬鹿馬鹿しいと思うかもしれないけれど、花シリーズで私は背景の明度を均一かつ他の作品と同一に揃えている。これが整わないと居心地と気持ちが悪すぎるのだ。また、こうした見た目がテーマのひとつでもある。いつもとは違うライティングをしているので背景についてもいつものままという訳にはいかない。しかも被写体側はもっといつもの通りにいかない。

また光源の数をなるべく減らして組み立てるところを、意図に近付けど意図通りにならないため一灯多く配置しなければならなかった。

光源の配置はこのまま、若干比率を変えたりあれこれして前掲の画像とは構図もまた違う写真をつくりあげたけれど、これが正解だったかどうかまだわからない。偶然性に頼るわけにいかないので、成功も失敗もいずれであってもすべて私の責任だ。

この試されている感なかなかよいものなので、静物撮影をお勧めする次第。

© Fumihiro Kato.
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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なる人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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