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レボルビング用機材、L型ブラケットともに横位置と縦位置で光軸が完全一致しないと気が済まないとか、カメラ一体型であったり有名ブランドでないと貧乏くさいと感じる人もいるだろう。とはいえ本当に必要なものは何か、長らく使い続けられるものは何か、費用対効果がよいものは何かについて書いて行こうと思う。
なければないで済むL型ブラケットの類だけど、いざ「必要ではないだろうか」となったとき帯に長し襷に短しであったり存外にお値段が高かったりして選択に悩むのではないだろうか。天文関係の撮影や超望遠では話が違うだろうから参考にならないと前置きし、単純なL型ブラケットで試してみるのを勧める。
「単純なL型ブラケット」とはETSUMIやUNが得意にしている単なるL字型のプレートだ。横→縦→横と頻繁に構図を変えないなら縦専用として割り切れる。どの会社の製品でもよいけれどETSUMIの型番ならE-6613だ。なんだったらストロボ用ブラケットをばらしてL字プレートだけ使ってもよいだろう。ただしストロボ用ではもうひとつのプレートの位置規定用ピンが雲台取り付け時に邪魔になるかもしれない。いずれしろこれが基本形であり何かと苦になる要素がすくない。ほとんどの人はこれで十分なはずの製品だ。アルカスイスタイプのクイックシューがあると便利だけど、固定が完璧でレンズが重くても縦位置でおじぎしないものはそうそうない。
カメラの機種ごと設定されている専用L型ブラケットは横位置、縦位置で光軸が一致するように設計されていたりクイックシューで脱着が簡単になっていたり、カメラとの一体感によって貧乏くさくなかったりする。しかしテザー撮影時にコードをどうするか問題になりがちだ。そして複数の機種を使っていたり、新たにカメラを購入したらブラケットもまた買わなくなくてはならない。
こうした問題が一切ないとは言わないまでもお気楽に試せるのが前述の単純なプレートだ。なにも工夫されていないので人によっては使い勝手に難があるだろうが、機種ごと設計されているものにイラついている人には目からウロコかもしれない。ただし強度というか防振性は必要十分でもほどほどなので注意を。ストロボ一発ポンならまったく問題ない。
そこでカスタムブラケットが展開している、かつては国内メーカーも発売していた円弧状にカメラの向きを変えるものがけっこうよいのだが現在国内代理店のケンコー・トキナーでは扱っていないようだ。こうした汎用型となると天文関係の専門会社が三脚座方式のものと併せて製造しているみたいだ。もし気になるなら、マミヤが製造していた円弧状の製品を中古やジャンクで見つけたら迷わず買いましょう。あれはよいものだ。アームで縦横方向を変える汎用型はベルボンが雲台としてPHD-66Qを販売している。雲台ごと交換するのを厭わないならよいだろうけど、ベルボンの雲台が嫌いという人もいるだろう。たとえば私だ。
実は雲台に取り付ける縦横レボルビング可能な装置はかなり昔から存在していて、大判カメラの老舗のWISTAに写真のような機種がある。現在も2万円台で購入できる。これはかなり強固な製品だ。
2万円でも高いとする人や他にはないのかと選択肢を求める人には、ベルボンから同様のものが発売されている。7〜8千円台だ。製品写真の見た目以上に大きく重いので通販で買って実物を見て驚かないように。
よほど長い玉でないなら十分な強度がある。カメラごと設計されていてけっこうな価格の専用ブラケットを購入するほどでないなら落ち着きどころの候補として有力な製品だ。
というのもお高いものを買っても「結局使わなくなった」という人が多いと聞く。もちろん不要なアーム類がなくクイックシュー直結になる製品のほうが振動に強いだろう。したがって誰にも勧められないとしても、縦横の切り替えについてぼんやり願望を抱いている人には他の用途にも使えるお安いL型プレートを試してみて、さらに使い勝手を向上させたいなら前掲の製品を選択肢に含めるのがよいだろう。検討の結果、専用品に落ち着くならそれはそれである。
© Fumihiro Kato.
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