100均布製巾着をレンズキャップに

海浜や砂丘での撮影が多い私の悩みは、たとえレンズ保護用フィルターを使っていてもフィルターが潮風、飛砂でどろどろになる点だ。環境と状況にもよるけれど、小一時間海浜や砂丘で撮影すると写りに影響しかねないほどレンズが汚れる。几帳面にレンズキャップを使うのがよいとはわかっていても、レンズキャップはカチリと確実に止めなくてはならず、しかも紛失しやすいのが気に入らない。

ちなみに私は前述のような場合は好き嫌いを言ってはいられないのでレンズ保護用フィルターを装着している。防汚型のものを使っているのだが、丁寧に清掃しているつもりでも砂による小傷がつきやいためお高いものよりお安いものを未練なく捨てられるようにするほかない。ご存知かもしれないけれどお安い某社の製品には大径製品がラインナップされてなく、ここはどうしようもないのでお高いものを使わざるを得ない。砂や海にまつわる作品のほとんどをツァイスの15mm中心に撮影している私にとって、ぜひとも某社には大径タイプを発売してもらいたところだ。お安い製品が圧倒的に劣るかというと、そんなことはまったくないのだし。大切なことなのでもう一度書くけれど、後生大事に防湿庫にレンズをしまい込むのでないなら、必要に応じ柔軟に保護用フィルターを使う方が撮影をよどみなく行えるし、価格差は品質の差でもあるけれど安いからといって格段に性能が落ちるわけではない。

フィルターがどろどろになったり、明らかに砂の微粒子がついている場合、清掃は一筋縄ではいかない。ブロアーやエアスプレーを吹いても潮風の塩分が原因の汚れは、塩分が接着剤のようになり完全に除去できない。どろどろなのだからあたりまえだ。こうなると流水で砂の微粒子を洗い流すほかなく、撮影時に屋外でいちいちやってはいられないのだった。間違ってもブロアーを吹いていきなり無水アルコールで拭き拭きしてはならない。防汚型フィルターは他のプロテクトフィルターより掃除が簡単であるし、それ以前に汚れがつきにくいのだが、潮風のベトベトは高かろうが安かろうが手に負えなくなる。では防汚型は硬度が高いのかというと角閃石(モース硬度6〜7)、長石(モース硬度6)、石英(モース硬度7)等である砂の微粒子を前にしてはヤワなのだ。解決策は防汚型フィルターを複数持ち運んで交換するしかないところだが、冒頭に書いた話のようにレンズキャップをこまめに脱着するだけでもかなり違う。前者はフィルターをまとめ買いする他なくなるし、後者は面倒なうえにレンズキャップを紛失しやすい。なくした時たかだかキャップごときを買うのも馬鹿馬鹿しい気がするし悔しい。そこで巾着の出番となる。

かぶせ式レンズキャップの一種に、大径超望遠用の合成皮革や布でできたキャップがある。これは早い話が巾着で、だったら潮風や飛砂が気になる撮影では布製巾着でレンズを保護すればよいはずだ。専用品で気の利いたものがあるのか探したが思うようなものがなかった。そこで100均で売られている巾着なのだ。問題はレンズの口径に合うものを見つけなくてはならず、往々にしてファンシーなものに品揃えが偏るので地味な巾着を探さなければならない。でも手作りするより安く確実に効果があるものが得られ、撮影中になくしてもまったく惜しくないのがよい。取ったり着けたりも簡単だ。レンズを買うとおまけでついてくるレンズポーチや、これがジャンク品としてカメラ店のワゴンに並んでいるものを活用する手もある。

使い方は説明するまでもないだろうが、撮影地でカメラがバッグ等から出ている間レンズの先端に巾着をかぶせて紐をキュッと締めるだけだ。もちろん撮影中はレンズ先端が露出しているので汚れが完全に防げるわけではない。でもないよりよっぽどマシなのだ。レンズのフード込みの口径に合えばどんな巾着でも効果が得られるが、多少ルーズに鏡胴の半ば辺りまで布で覆えるものが確実であるしピントリング等の隙間に微細な砂が噛むのを防げる。私は耳の穴まで砂が入り込む環境で撮影しているため工夫をしているのだが、もっとカジュアルに日常使いしても悪くないものだと思う。ほとんどの場合、布で覆われているだけでレンズ保護は十分だ。どこかのメーカーが用途に特化したものを発売してくれないだろうか。

なお万全を期したい場合は、カメラ用レインカバーを装着したうえで巾着を使うのがレンズにもカメラにもよいはずだ。OP/TECHのビニール袋は安いし、使い捨てとされているが複数回使用可能なので常備しているが、これを含め他のものもがさばるし使いにくいのが難点だ。

Fumihiro Kato.  © 2019 –

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F.Hiro.K
加藤(文)文宏 / Fumihiro Bun Kato a.k.a Hiro.K詳しいプロフィールはリンク先へ

写真家・作家 / Photographer Author

・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。
・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他)
・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。
・不二家CI、サントリークォータリー企画・取材、Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告、武田薬品工業広告、他。アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材、MIT Museum 収蔵品撮影 他。
・歌劇 Takarazuka revue
月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。
・長編小説「厨師流浪」で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」他、小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。
・獅子文六研究。
・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。
・各メディアにおけるスチル撮影。
・オリジナルプリントの製作、販売。
・JSAHP正会員
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