2018年私的デジタル環境・デバイスまとめ

私は1990年代初頭、Photoshopのバージョンが2.0のあたりからMacを使い始めてかれこれ20数年、頭を悩ませながら再来年くらいにはデジタルデバイスと付き合って30年になる。長ければいいっていうものではないが、いまどきはいまどきの問題があるとはいえ当時からしたら何かと便利かつ楽でスマートになったものだと感嘆する。ぶっといケーブルに複数の規格ごと異なる巨大なコネクターがついているSCSIが滅びてUSBになっただけでも格段の進歩だ。今年に限った話をすると、ようやく私はスマートフォンを買い換えた。というのも、私はPCがあくまで母艦でスマートフォンは電話の位置付けにすぎず買い換えが億劫だったからだ。だがあまりに旧式になったスマートフォンが電話のみなんとか使えるだけのありさまで、これではかえって無駄ということで買い換えた。こんないびつなユーザーの話だからどこまで他人が読むに耐えるものになるかわからないが、ぽつりぽつり2018年のデジタルデバイスの話をしようと思う。

写真を撮影している人にとって身近な話題は、Capture OneがいつまでたってもMac OS Mojaveに対応していない困った問題だろう。Mojaveリリースは2018年9月25日でテスト環境のβ版はもっとまえに開発者に行き渡っているのだから、いったい何をしているのかといったありさまだ。たぶんCapture One 11のマイナーアップデートで対応させず、12へのメジャーアップデートで正式対応するつもりなのだろう。職業写真家の道具だけにもしもの事態を避けたいのは、過去にOS対応を謳ったバージョンアップで失敗を経験したからに違いない。12は12月中に発表されると言われているけれど、これはあくまで予定や計画にすぎないので確実な話ではない。ここで冒頭に書いたスマホの話とからむのだが、iPhone側のOSが最新であるときMacとの同期にはMac側も最新OSでなけばならない仕組みがある。で、私はようやく買い換えたiPhoneを買った額相応に使いたおそうと画像を扱っているMac本体といろいろ協調させる目論見があったのでMojaveへのアップデートがどうしても必要になった。しかし、主たる写真の現像環境がMojaveに対応していないとなると本末転倒である。

私は国内にCapture Oneの情報がほとんどないので海外のフォーラムを探して更にMojaveについての記事を漁った。これが10月から11月の話だ。10月頃はCapture OneはMojaveで重大な問題があり動いたとしても何らかの機能不全だからやめときなと会話が交わされていた。だから「そうだよね」と私はMojaveへのアップデートを待った。しかし11月に入りiPhone新調となって、どうにかしたい思いに駆られた。この間断続的に海外のフォーラムを追っていたのだが、「Mojaveにアップデートしていて、Capture Oneのマイナーアップデートも経験しているが、何の問題もなく動作しているよ」という声が見つかった。人によって現像の内容が違うし、諸々の環境も違うから鵜呑みにはできない。まあでもダメだったらTime Machineバックアップで旧OS環境に戻してもよいだろうと思い切ることにした。

結果であるが、私の現像内容、私の環境ではCapture One 11はMojaveで動作している。私はCapture Oneの機能をかなり多岐にわたり使っているので心配していたが杞憂に終わった。RAWデータを直接Capture Oneで現像するケースであっても、一旦DxO PLでトリートメントしてDNGで出力してからCapture Oneで本現像するケースでも問題ない。ただしソフトウエアのサプライヤーがMojave未対応と言っているのだし、人それぞれ現像内容が違うだろうからすべての人に「大丈夫」とお勧めできる訳ではない。何らかの要因がからまった際に、書き出し画像にメタデータを書き込めない、あるいは現像後の画像にメタデータを追加できない不具合、こうした画像は画像データとして問題なく使えるがAdobe bridgeで全画面表示させられない可能性がある。これはCapture OneとMojaveに関わる問題かどうかわからないし、私はたった1画像のみこの症状が出ていてフォーラムでの意見と一致したにすぎないので確証をもって異常であると断定しかねる。このような画像はPhotoshpなどで開いて再保存、別名保存すると問題は解消される。

ということでiPhoneの話に移ろう。ここ数年、スマホの巨大化が進み首からストラップで羽子板(またはピンポンのラケット)ではないかと思うほどの大きさのスマホを提げている人が増えた。PC同等の視認性と使い勝手を求めると画面は大きいほうがよいのだろうが、そもそもスマホは電話であって羽子板のようなサイズの電話なんて大昔の移動電話に逆戻りではないか。個人的な感想と断ったうえで書くが、あのサイズはダサイ。そこでiPhoneの機種で小さめというとSEシリーズなのだが現在のラインナップにはない。最新のA12チップを使ったモデルが今後のiOSを考えると理想だろうけれどiPhone Xシリーズはでかいし重いしホームボタンはないし顔認証はどうかと思うしお高いのだった。ということでiPhone 8(plusではない)に落ち着くほかなかった。そしてSIMの問題である。キャリアのSIMは使用料が高止まりで制約が大きいだけでメリットはほとんどない。なので当然のようにMVNOからの選択と相成った。もともと携帯電話がauだったことでauの回線を使ってきたけれど、これも見直してDocomo回線に。au系SIMはテザリング等で制約がかけられている例が多く、私は災害にあいやすい場所で撮影するのですこしでもカバー率が高いDocomoのほうがうってつけだ。それにしても数万あったらレンズ購入やら生活資金やら投資やらに回せるだろうに、本体やら回線使用料やら高いよね。

もういっぺんPC環境の話に戻る。こうしたデジタルデバイスの見直しがひと段落ついたところで、Macの賢いバックアップ機能Time Machineで使用しているハードディスクがどうにもこうにも満タンになって容量不足のため保存不能になった。原因は画像データが多いためだ。これは写真を撮影している人なら頷いてもらえるだろうし、Mac OS以外の人でも画像データをいかに保存し続けるか頭が痛いだろう。写真を撮影していればRAWデータをまず保存しなければならず、さらに現像した画像を保存する必要に迫られる。私はかつてハードディスクが死んでデータを飛ばした痛い経験があるので、ふたつのディスクに分けてRAWデータデータとバックアップを保存し、Capture Oneに実装されている使用したRAWデータを複製保存できる機能も使用している。二重三重のバックアップは無駄とみるむきもあるだろうが、痛い目を見ると最悪のケースを想定してしまうのだ。Time Machineはこのうちのバックアップ側のディスクを対象からはずしても容量不足で保存できない状態になった。

現在ごくごく普通に販売店にならぶハードディスクの容量は上限が8TBだろう。これより大きな容量の製品はあるがどこでも買える状態ではない。また価格も容量なりに高くなる。Timemachineが必要とする容量はバックアップ対象の5倍とも言われている。直近のデータだけでなく、差分を逐次保存して過去のどの時点にも戻れるからTime Machineという名称であってここが賢いのだが、ゆえにバックアップ対象の5倍が目安なのだろう。もちろん古すぎるデータは消去され容量を確保するが、いかんせ画像データが多すぎるのだ。で、その通り5倍の容量を用意するとなると将来を見据えた場合30TB以上が必須となり、やっていられないのである。そこでデータのバックアップ体制も見直しが急務になった。Timemachineは便利かつ確実にOSからデータまで保存でき使い勝手がよいからはずせない。RAWデータはTimemachineと複製を別ディスクへの保存という二重、三重の対策をしたい。考えた末に採用していた手なので、見直すといってもそうそう変えられるものではない。一時アマゾンのストレージサービスを利用してみなさんにも勧めたのだけど、現在は使用していない。問題は転送速度の遅さで、RAWデータをアップロードするには果報は寝て待て状態になり、しかも途中で回線切断になったりする。使い始めはまだどうにかなったが、やがてひどい状態になった。

これはクラウド環境につきものの問題でアマゾンだけが格別にひどいのではない。一般のクラウドストレージは容量100GBがおおよその目安で、画像データを保存しないなら100GBもあれば十分すぎるだろうし、もし満タンになったら買いましすれば済む。ところがRAWデータやら現像後のデータを保存するには100GBでは足りず、買いましすると際限がなくなる。ローカル環境と切り離されたクラウドは安全性が高いので使うにこしたことはないのだが、全データをバックアップするには現状ではいろいろ問題があるのだ。つい最近某大手中の大手から100GBを半年無料で差し上げますと誘われたのだけどありがたい申し出とはいえ際限なく増えるデータは金食い虫になるので未だ利用していない。

ではメディアに保存してはどうか、となる。Blu-rayディスクの拡張規格BDXLは100GBまたは128GB保存できる。そんな可能性を考慮して、私はBlu-rayとBDXLを読み書きできる環境を既に整えてある。読み書きに時間がかかるのはバックアップのバックアップだからさほど問題なく、クラウドストレージは時間もかかるが途中切断や1ファイルあたりのアップロードサイズの上限制限があるサービスがほとんどなので事情が違う。ただし光学メディアは耐久性が万全ではない。100GBまたは128GBでは直近までの全データに遠く及ばない容量で数枚に分けることになるが、これは面倒臭いけれど危険性の分散にもつながる。BDXLのディスクは1枚600円くらいだろうからクラウドストレージの100GBあたりの価格と相談すべき点だ。

クラウドストレージでもディスクメディアでも将来にわたってサービスや規格が存続するかどうか心配になるのはどうしようもない。たとえば、だ。クラウドストレージサービスをやめますとなったり、倒産夜逃げになったり、価格改定のため値上げしますとなる可能性は皆無ではない。こうなったとき膨大に膨れ上がったデータをいかに回収するか、他のサービスに乗り換えるのにどうすべきか問題になる。BDXLはBlu-rayの拡張規格でいまどきはTV番組の一時保存に使用している人が多いけれど、拡張規格なので廃れるケースだってあり得る。廃れてもローカル環境で読み書きできればよいとしても、OSのアップデートや機種買い換えになった際にBDXLに対応できなくなると手も足も出なくなる。こんな心配をしていたら何もできないのはわかっているが、30年くらいデジタルデータを取り扱ってきてこれまでに規格が死んだ経験が山ほどあって同じ轍を踏みたくないのだ。余談だが、DNG形式のRAWデータについて勉強して活用しているのはいつメーカー固有のRAW形式が何らかの事情で読みこみ不能になるかわかったものではないからだ。すべてのRAWデータをDNG形式にコンバートしてはいないけれど、コンバートしたDNGで現像する経験値を積んでいざというとき余裕で対応できるようにしている。まあすべて DNGにコンバートして、これもバックアップするとなると輪をかけて容量問題が複雑化するのでやっていないが。

未だ結論を出せないままだが、いずれBDXLによるローカルでの管理とクラウドストレージの併用を採用するのではないかと思う。RAWデータには捨てカットが含まれていて、この捨てカットが後々再発見によって使用カットになる可能性はあるとしても、こうして再使用されたものはCapture Oneの使用カットのバックアップ機能で逐次複製が保存される。つまり全データの保全は完全を求めず、こうして使用したRAWデータのみ考え得る最善のバックアップ方法で安全性を高めるのが現実解なのではないか。膨大な容量を相手にしなければならないのは変わらないが、まだ気が楽だ。これをひとまずBDXLに焼く。クラウドストレージサービスはどれも似たり寄ったりにみえて、実際に使用すると様々な差があるので冷静に見極めて現状で最善のものを選ぶ。これしかないかもしれない。

そこでローカルディスクの話だ。私の現像環境はMac本体のディスクのほか、外部にメイン用、バックアップ用、Timemachine用、1ファイルあたりの容量が小さいものを雑多に放り込む用のディスク、一時的に使用するデータを保存するSDカードがぶら下がっている。SDカードはMacに挿しっぱなしで、カメラで使用していた32Gを使っている。不揮発メモリーは書き込み回数の上限があるとされているしどちらかというと不確実性が高いメディアなのだけれど一時保存には十分だ。今回はTimemachine用のディスク容量増をしなければならないので、大容量ハードディスクのバルクものを注文した。かつて東芝とシーゲートのハードディスクで痛い目にあっているのでウェスタンデジタル一択でこれまでやってきて耐久性には太鼓判を押せるのだが、シーゲートの価格がかなり下がっていてTimemachine用ならそれでもよいかなと浮気した。ハードディスクの故障率を年ごと統計を取って発表しているサイトがあり、ここ何年か私がイチオシのウェスタンデジタルが低迷して東芝や日立が好成績なのだ。シーゲートは数年前に大不良率、故障率の製品群を出していて印象がよろしくない。なのだがMacの本体ディスクはシーゲート製だし、ちゃんと動いているよという人もまた多い。東芝はがっこんがっこん煩く、日立ともに私が必要な容量はつくっていないか販売が限られるのかして買いにくい。ハードディスクのコストダウンが先々必要になりそうなのでシーゲートなのだが、ちょいと不安なのである。

Fumihiro Kato.  © 2018 –

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Profile

F.Hiro.K
加藤(文)文宏 / Fumihiro Bun Kato a.k.a Hiro.K
写真家・作家 / Photographer Author
・北海道北見市生まれ。
・大学卒業時までに詩集「無題あるいはサラバ」、同「Cadenza」発表(共に絶版、在庫なし。「Cafebza」別装丁私家版のみあり)。
・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。
・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他)
・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。
・不二家CI、サントリークォータリー企画・取材、Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告、武田薬品工業広告、他。アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材、MIT Museum 収蔵品撮影 他。
月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。
・長編小説「厨師流浪」で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」他、小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。
・獅子文六研究。
・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。
・各メディアにおけるスチル撮影。
・オリジナルプリントの製作、販売。
・JSAHP正会員
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