Fotopro T63Cの使い勝手はかなりよい(続報)

!重量の誤記その他を訂正・修正した。(2018.5.7)

Fotopro T63Cを屋外で使用した。既に短感記事に書いた内容は裏切られず好感触だったが、もう少しちゃんと使うことで感じるものが多かった。

Fotopro T63C

私がFotopro T63Cを選択した理由は以下の通りだ。
1.HUSKYをメインの三脚として使い続け機能に不満はない。
2.HUSKYの重量が苦になる場合はGitzoの旧式トラベラーを使っていた。
3.Gitzoの旧式トラベラーは暴風下の潮風、砂の影響を受け各部の動作に支障をきたす。
4.砂を噛む要素が圧倒的に少なく、噛んでも容易に分解清掃でき、HUSKYの安定度に匹敵しながらGitzoのトラベラーなみの三脚が必要になった。
5.[4]に関連して、宿泊地などでも簡単に分解でき、水を大量にかけて元どおりにできるものでなければならない。

これらの要素に合致しつつ、全高160cmくらいの三脚の選択肢はあるようで意外なくらいない。列記した項目以外に、脚の固定はナット式一択、HUSKYの雲台を使ったとき雲台負けしない脚部を求めていた。もちろんGitzoには多様なラインナップがあり適合するものがあるけれど、現在の三脚事情を鳥瞰したときGitzoのコストパフォーマンスは悪すぎると感じる。HUSKYくらいの価格帯が正常なのであって、よほどの違いがない限り「実をとるなら」Gitzoは蚊帳の外になる。

国内二強メーカー、Sirui等中華新興メーカー、ドイツFLMを検討した上で、Fotopro T63Cを選択したのは条件にもっとも合致したうえで工作精度が高く、センターポールの固定ナットに指かがりの耳がついているからだ。削り出しパーツの質感はとても高く、またよく出きている。Sirui等のメーカーはGitzoのトラベラーを手本にしていて固定ナットは滑り止めのローレットのみで、ナットはセンタポール径に従いかなり細い。こうした滑り止めのローレットのみの構造は、出っ張りを減らしてコンパクトにして持ち運びを容易にするためのもので撮影時の使い勝手を想定したものではない。ローレットのみと耳付きとどちらが操作容易で確実かは問うまでもなく、圧倒的に耳付きだ。だからGitzoはすべてのモデルをローレットのみの構造にしていない。また私は手が巨大(欧米サイズのLサイズ手袋でも小さすぎるくらい)なので、ちまちましたナットを回すのが嫌いだ。

Fotopro T63C

実際に使用して、雲台の操作は数十年来使用しているHUSKYなのでなんら問題なく、脚部では耳付きナットを選択して正解だったと痛感した。撮影中は三脚の扱いより被写体を含む現況に神経を使っているので、緩める、伸ばす、締めるの動作は直感的かつ多少荒っぽく行ってもよいものにしたいところだ。こうして扱っても緩め加減や締め付けが不十分にならないもの、度々操作しても苦にならないものが求められ、これが耳付きのメリットになる。

強固さと安定度はまったく問題ない。T63Cのパイプ径は28mmでT系列の70番台が32mmになり、私は軽量さを優先したので28mmで十分だが不安があるなら70番台の選択もある。T63Cの自重は1.55kg、HUSKYの雲台装着で2.85kgで、HUSKYの雲台の確実性が加わったこのクラスの三脚として最軽量かつ強固な部類に入るはずだ。

manual

上掲の取説の内容を読んでいただきたい(クリックで拡大する)。こうした展開性と前述の要件を満たすラインナップを、なぜSirui等新興メーカーがつくっていないかが使ってみると理解できる。Fotopro T63Cの使い勝手は、元祖三脚メーカーともいえるGitzoやHUSKYと同等であり(もちろん国内二強の高級ラインもまた)、さらに現代の三脚に求められる例えばパイプが回転しないなどの要素と軽量性を併せ持っていて、性能と価格の比較対象の相手がこうした老舗ブランドになっている。比較する相手がこうなると安価ではあるが、内容を盛っただけ新興メーカーの三脚にしては中途半端な値段とも解釈され、安価なことを競争力にしたい中華メーカーは敢えてここまで作り込まず直接競合を避け別の需要に応えようとしている。だからGitzoのトラベラーを基本形にして、付加価値をつける点を防水性などに求めるにとどまっている。Fotoproとしては低価格を求めるユーザーには別ラインがありますよとしているし、大手量販はこうした安価ラインを優先的に取り扱うことで購入者が求めている値ごろ感に答えを出している。このような事情と知名度の低さゆえに、国内ではT系統を使っている人が少なくなる。たぶん多くの人にとっては「だったらもう少しお金を払って国産買うわ」になるのだろう。でもメンテナスが容易でハードに使えて、展開性のあるシステムがワンパッケージになっている三脚を求めるなら、T63CをはじめとするFotoproのT系統は圧倒的だ。この三脚、あのRolleiが販売する三脚 Stativ T-63 C Schwarz と同じものなのだ。違いは付属する三脚ケースがかなり高級感のあるものになっている点だけ。現在RolleiはこうしたOEM製品で自社ラインナップを維持していて往年のRolleiではないのだが、これはRolleiブランドを維持するだけの質感が十分にあるとも言える。また雲台別売りときっぱりしているところ、シンプル性を重視しておせっかいな要素を切り捨てているところは、既に三脚をあれこれ試してきて分かってる人にどうぞの内容だ。センターポールなしを選ぶセンターポール嫌いの人には、取り外した上で雲台座を脚部じか付けにすることもできるのだ。

Fumihiro Kato.  © 2018 –

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Profile

F.Hiro.K
加藤(文)文宏 / Fumihiro Bun Kato a.k.a Hiro.K
写真家・作家 / Photographer Author
・北海道北見市生まれ。
・大学卒業時までに詩集「無題あるいはサラバ」、同「Cadenza」発表(共に絶版、在庫なし。「Cafebza」別装丁私家版のみあり)。
・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。
・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他)
・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。
・不二家CI、サントリークォータリー企画・取材、Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告、武田薬品工業広告、他。アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材、MIT Museum 収蔵品撮影 他。
月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。
・長編小説「厨師流浪」で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」他、小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。
・獅子文六研究。
・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。
・各メディアにおけるスチル撮影。
・オリジナルプリントの製作、販売。
・JSAHP正会員
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