機材に見切りをつける前提で機材を買う

私が見切りをつけた機材に初期の4/3があり、メーカーとしてのオリンパスがある。現在では想像できないかもしれないが、デジタルカメラのセンサーサイズについて見通しが混沌としていてライカ判や中判の既存規格に限らない大きさでもよいかもしれないといった時代があった。フィルムから本格的にデジタルに移行しようとしていた私は、ほんの手始めに4/3規格のカメラを手に入れた。小さくて軽いのはよいとして、あの時代であってもレンジが狭く、技術革新が進んでもしばらくは改善されそうにない感じだったので見切りをつけた。あと、ファインダーやら作り込みやらが適切ではないと感じた。その後、m4/3へと規格は変わったが判断を間違えたとはいまだに思っていない。私にとってはこうだが、他の人にとってはm4/3こそデジタルカメラの真打ちであっても別に問題ない。これは私の判断なのだ。

4/3、m4/3のボディーが小型であるメリットはアドバンテージが相対的に低くなっているが、被写界深度が深いところは未だに有利だと感じる。私が静物作品で中判以上を使わなくなったのは被写界深度が浅すぎるからだ。その他の撮影でもライカ判はバランスがよいと感じる。4/3、m4/3ならもっと被写界深度が深い。こうしたメリットを伸ばせばよいのに、メーカーは何でもできるカメラと訴求するためF1.2級のレンズを大体的にアピールしている。F1.2と言ってもT値は2.0に近く、T値は公開されていないので単体露出計を使用する場合はユーザーが独自に見当をつけなくてはならない。背景が大きくボケる写真が撮りたい初心者は多いから、高価で、大きく重いこうしたレンズに憧れ、実際に買うのだろう。だったらm4/3ではなく、より大きなフォーマットのカメラを買って目的を達成させた方が早道かつ安価に収まるだろうに。つまり見切りをつけないのである。私にとってはこうだが、他の人にとってはm4/3こそデジタルカメラの真打ちであっても別に問題ない。これは私にとっての合理性なのだ。

寄る年波なんて悲しい話はしたくないけれど、荷物を小さく軽くしたい単独行の撮影ではAPS-Cは中途半端だからいっそm4/3を導入しようかなと考えない訳ではない。m4/3用のコーワのレンズはよいかもな、なんて見ていたりもする。とはいえ、カメラ側が私の要求に応えていないし、オリンパスはOMの時代のメーカーではないとはっきり断言できるので(パナソニック? うーんどうなんでしょうね)今のところ実現されそうにない。私はメーカーとしてのオリンパスに疑問を抱いたままなのだ。

他人のことはどうでもよいけれど、カメラを買った、レンズを揃えた、引き返せないので泥沼にハマりつつメーカーに忠誠を誓う人は損ばかり多くて得がひとつもないのである。仕事をしている人ならこんなケースはなく、なぜなら仕事にならないからだ。仕事でなくても、何かを求めて写真を撮っている人も同じだ。いずれにしろ初めてカメラを買う人はいざ知らず、2台目以降ならどこを見て機材を買えばよいか学習しているだろう。もちろん失敗だってある。でも機材に見切りをつける前提で、機材は買うものだ。

Fumihiro Kato.  © 2018 –

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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なり人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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