フィルムスキャンその後で2

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フィルムからデジタル画像をつくったことがある人なら、総ピクセル数が同じで、似た構成(構図、輝度分布など)のデジタル撮影された画像よりスキャン後の画像のほうが容量が大きい点に気づいているだろう。これは、フィルムの銀塩粒子が不規則に分布しているためだ。諸々の画像形式の中でもJPEGで顕著である。JPEGは、圧縮前の画像から8ピクセル四方をサンプリングした上で、似た輝度と彩度があれば同一の値にしてファイルサイズを減らす。不規則に銀塩粒子(カラーであれば色素)が分布していれば、似た輝度・彩度としてまとめられる区画が減る。

このように大きさ様々、並びもまちまちの粒子感がフィルムならではの描写の鍵だ。しかし、ときとしてファイルサイズが大きいことで不都合が生じたり、アウトプットする媒体の物理的なサイズによっては粒子がかたちづくるノイズが過剰すぎるケースがある。前者はフィルムから紙焼きの段階では問題にならなかったし、後者は拡大するほど鮮鋭度が極端に落ちることから見過ごされてきたが、デジタル化された画像の使い道を考えると看過できないときがある。

銀塩または色素粒子のノイズがファイルサイズを増大させ困ったり、ザラザラ感が鼻につく場合はRAW現像ソフトに持ち込み「ノイズ軽減」処理をかければよいだろう。RAW現像ソフトでなくても、PhotoshopのRAW現像ツールを使用しても可能だ。ただし、どちらのツールを使用しても、塗り絵調、あるいは汚れたマダラ調になりかねないことに注意したい。ノイズ軽減処理は、元画像がアナログだろうとデジタルだろうと、不規則な輝度・彩度分布を平均化しザラザラ感を軽減している。不規則な輝度・彩度分布はノイズであると同時に、ディティールを形成する要素でもあり、これを平均化すれば質感が失われたり不自然になるのを自明の道理だ。

したがって、ノイズ軽減処理をする場合は画像中の何箇所かを拡大して点検しつつ適応量を加減しなくてはならない。また、アウトプットする(使用する際)の物理サイズを考えながら調整する。たとえばネットに画像を掲載するなら、最大でも長辺2000ピクセルくらいの画像に収まるだろうから、かなり強めにノイズ軽減処理をしてファイルサイズを小さくしても鑑賞者に違和感を与えないだろう。しかしA3以上にプリントする場合は、ネット用画像のように強めにノイズ軽減処理をかけるとフィルムの持ち味が台無しになるばかりか、塗り絵調あるいは汚れたマダラ調が目立つ。もし様々な用途にスキャン画像を使用する可能性があるなら、元画像に処理後のデータを上書きするのではなく、新規書き出しで用途ごとアウトプットするのがよいだろう。

スキャン時の画像は後の処理を想定して可逆圧縮可能な形式で保存すべきで、DNGまたはTIFF形式が妥当だろう。

Fumihiro Kato.  © 2016 –

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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なり人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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