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フィルムスキャンは撮影と違い、それそのものが心おどる作業ではない。とはいえ、スキャナーの性格をちゃんと知ったうえで機械に任せればよいのだから、あまり暗い気持ちにならなくてもと私は自分を励ましている。暗い気持ちになるのは手間だけでなく、ゴミ取りにまつわる諸作業が原因とも言える。ブロアでいくら丁寧にゴミを吹き飛ばしても切りがない、なんてときは泣きたくなるかもしれない。
フィルムをスキャンするくらいだからAdobe Photoshopは所有しているのではなかろうか。Photoshopがあるなら、修復ツールで案外簡単にゴミを消せる。スキャンした画像に限らず、カメラのセンサーに付着したホコリが目立つときも作業は同じである。
では「修復ツール」について説明する。
これが修復ツールのアイコンだ。
修復ツールのアイコンをクリックすると、いくつかのツールが表示される。このうち「スポット修復ブラシツール」と「修復ブラシ」ツールの使い方をマスターしておくべきだろう。
ツールのうち「修復ブラシ」は、optionキーを押して指定(サンプリング)した場所を、修復する箇所にペーストする機能だ。スタンプツールと違うのは、修復しようとする箇所の周囲を自動的に参照して違和感を感じにくいかたちで画像の手直しができる点だ。スタンプツールは、単純にコピー & ペーストである。
「スポット修復ブラシツール」は、修復しようとする箇所を指定するとその周囲を自動的に参照して違和感を感じにくいかたちで手直しする。ただAIが周囲の様子をサンプリングするので、うまく行く場合はよいが、意図しない背景がペーストされる場合がある。
いっけん「スポット修復ブラシツール」のほうが簡単に思えるかもしれないが、背景との馴染みを考えると「修復ブラシ」のほうが成功率が高い。では、「修復ブラシ」だけで済むかとなると否だ。私は、スタンプツールとの併用でゴミ取り、センサーの汚れの黒点取りをしている。
Fumihiro Kato. © 2016 –
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