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東日本大地震当時から私を知っている人は、放射線・放射能を過剰に不安視したり意図的に誇張してデマを流布する行為(身辺周囲数十メートルであれNetであれ)を旧サイトで批判していたのを見ていたはずだ。2011年から数年間は、ことあるたび「情報の真偽を慎重に問い、思い込みや信じたいものが果たして正しいか問う姿勢を忘れないように(ね)」と発言した。
当時から私をご存じなくても、つい一、二年くらい前まで誇張、悪質な嘘、デマが大手を振るって闊歩していたし、日がな一日こうした嫌がらせを製造・拡散し続けている連中が相当数いたのは見聞きしているだろう。私はこの人たちのうち数人から嫌がらせと付きまとい行為を受け、公私ともども最悪の事態になったのは現在このサイトに記述している通りだ。
だから、震災後にまっとうな学者、まっとうな見識がある人が冷静になれと呼びかけ正しいデータとともに現状分析を世の中に伝えると「御用学者」「原発村」などとすごい勢いで罵られ、職場や家庭にまで嫌がらせが及び精神を病んだ人、家族の幸せを奪われた人の無念さが痛いほどわかるのだった。
なぜこんな話をしているのかと言えば、COVID-19 / 新型コロナウイルス肺炎への冷静さを欠いた報道やSNS上のやりとりもしくは騒動がまさに東日本大地震当時の放射能騒動と瓜二つで「また繰り返すのか」の思いが募るからだ。
まっとうな意見や見解やデータを発信する人へ「御用学者」「原発村」などとレッテルを貼って口を封じ、口を封じ切れないなら発言者の生活を破壊した者どもや、これらの追随者たちがまたぞろ跋扈しているし、あのとき無縁だった者が参入していたりする。
「身元を晒すぞ」である。実名で発言していようといまいと「職場に押しかけるぞ」「家族を晒すぞ、攻撃するぞ」だった。
「あとから過剰な恐怖を呼び起こしてしまったとわかっても、楽観して被害が出るよりよっぽどいい」という立場は、震災当時の扇動屋、デマ屋、商売に利用しようとする者ども共通の言い分だった。
ほとんどのメディアが真実を伝えるより売れ行きがよく政治的な主張に繋げられるため大げさな情報を大げさな表現で流し続け、この先陣を切ったのはAERAの表紙を飾った防護服の男と「放射能が来る」であり朝日新聞は連載「プロメテウスの罠」を筆頭に真実より政治性、自らの主張で被爆物語を発信し続けた。
フェイクニュース云々という警句を鬼の首を取ったように得意げに使うメディアからして、こうなのだ。
「楽観して被害が出るよりよっぽどいい」と言い「御用学者」「原発村」のレッテル貼りでまっとうな人々を吊るし上げ口封じした結果、ノイズばかり跋扈する世の中になって、このあと被災地差別が現在まで続き復興のみならず社会と経済を歪められたのだった。
個人とメディアからのこうした圧迫があり、専門家は吊るし上げられ疲弊しきって口をつぐまざるを得なくなり、エセ専門家や素人が思いつきを発言して喝采を受ける世の中になってしまった。
日本国内の事情は世界の事情とリンクしているのだから、すべてを震災後に跳梁跋扈した愚かで卑劣な人々の責任にするのは正しくないが、卑劣さを社会正義のスローガンで目くらましした他者を攻撃する運動がここまで普遍化し人々を分断しているのは大げさ、正義の連呼、徒党を組んでの声の大きさ、レッテル貼りによる吊るし上げを成功させてしまったのが大きい。
COVID-19 / 新型コロナウイルス肺炎について、誰かを悪人に仕立てて吊るし、過剰に不安を煽るのを冷静な科学的態度と嘯く連中は、ふたたび人々を分断するのみならず今回は医療を崩壊させるかもしれない。
そして、今回もまっとうな意見を述べた人をとことん不幸にする先行きが見えてほんとうにつらい。私たちは2011年3月11日から今日まで、身を以て貴重な体験をしてきたのではないのか。学習したのではないのか。
それでなくても震災の傷は癒えてなく、更に人々を多角的に分断するのに忙しかった約10年なのだから、肺炎の蔓延以上に絶望的な結末を呼び込んでしまってはならないのだ。
(追記1)この記事は岩田健太郎氏による動画公開と騒動について書いたものではなく、某病院長周りの話から説き起こしたものだ。なお岩田氏の告発もまた震災時の迷惑な大げさ、嘘、デマの部類と同類であったのがいよいよ明白になった。くちばしを突っ込み、現場を混乱させ、周囲が自分の意見をまったく尊重しないとわがままに激昂して極端な話を捏造のうえ告発・暴露として公開する、これは震災時・原発事故以後のデマ屋たちと同じ構図だ。
© Fumihiro Kato.
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