内容が古くなっている場合があります。
縦位置用のブラケットはコレでいいんだよ、という話を記事にした。というのもその記事には書かなかったが、私も冒頭の画像のような単純なブラケットで静物など撮影しているからというのもある。
縦位置用としてアルカスイス互換マウントを装備したカメラの機種ごと設定されている製品は正直嫌いなのだ。カメラが変わるたび買い増ししなければならないし、そもそもクイック式のマウントが嫌いというのもある。これで困ることがあるのかというと「ナイ」のである。
縦から横に変えるとき面倒でしょ? と言われそうだけど焦るほど忙しく縦横を切り替えることはないし、こういったブラケットが脆弱かとなると「そんなことはない」のだ。
アルカスイス互換マウントは便利なアイデア製品なんだけど、カメラの底部にでっぱりができる点と、どんなによくできた製品でも三脚用のネジ穴に止めるのだから他のどんな方法と同じで緩みが出る。カメラと三脚の固定を通常の右に回して締まり、左に回して緩むネジで行うのがそもそもナンセンスで、縦位置にした場合レンズの重さでカメラごとお辞儀するのは、左に回して緩むネジだからだ。
ハッセルやかつてのMamiyaの67ならカメラごと縦位置にする必要がないので通常のネジで何ら問題ない。大判カメラも縦位置にしないから同様。ところがライカ判等となると話は別で、こうしたカメラが登場するはるか昔にデファクトスタンダードになったまま三脚のシステムが更新されないため、縦位置でお辞儀が解消されないままになっている。
で、アルカスイス互換のマウントは文字通り木に竹を継ぐシステムであり、根本問題もまた何ら解決していない。そもそもアルカスイス互換マウントはライカ判等のアスペクト比がついたフォーマットの小型カメラを三脚に固定するため生まれたものではない。あれは大判カメラなど大きな機材を三脚に固定する際、いちいちネジを回していたら大変なのでササっと着脱できるように発明されたものだ。
ただデファクトスタンダードから規格がはずれたものは、それはそれで面倒なことになる。ミノルタ、ソニー製カメラのオートロックアクセサリーシューがちょっと変わった構造になっている。ミノルタのα以来の例の規格だ。あと規格だけでなくエンプラの爪が折れるのも、いやはや。
シンクロ接点にしても垢抜けない、すぐすっぽ抜ける構造のまま何十年も経過している。でも最近はラジオスレーブをホットシューに載せる機会が増えたのであまり苛つくことはなくなった。こうしたデファクトスタンダードのなかで、三脚のカメラ固定法は避けて通れないため困った問題だ。だからといって、新機軸がカメラ側、雲台側で展開されてもこれはこれで難儀なものになるだろう。オートロックアクセサリーシューのように。
だったら単純なL字金具でいいのではないか。画期的な発明しかも木に竹を継ぐようなものでないシステムを開発する人は現れないだろうか。
© Fumihiro Kato.
Unauthorized copying and replication of the contents of this site, text and images are strictly prohibited. All Rights Reserved.