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Aputure COB 120d 用フレネルレンズをストロボに流用する話をたびたび書いてきた。経緯と経過を、ざっと箇条書きにする。
・大型ストロボやGODOX AD360 IIはリフレクター装着かソフトボックスなどの使用がデフォルトである。
・小型ストロボ(クリップオンタイプ)はフレネルレンズが組み込まれていて光に到達力がある。
・フレネルレンズは灯台に使われるほか、ムービーのライティングや舞台照明では柔らかなスポットライトとして使われている。
・集光度の高いフレネルレンズの効果を大型ストロボで生かしてみたい。
・定常光光源用のフレネルレンズは、大型すぎる、サイズはよくても高価すぎる傾向があるが、最近は手頃なサイズで安価でボーエンズマウントを採用したものがある。
・このうち現在確実に手に入れるAputure COB 120d 用フレネルレンズを使用してみた。
・Aputure COB 120d 用フレネルレンズには放熱穴があり、内面がマットなカーボン素材そのままなのでストロボ用にするには効率が悪い。
・内面を金属光沢素材に変え、AD360 IIのチューブ後端にも反射板を設置した。
ここまでが前回までの話だ。
金属板を筒にし内部に入れる。Aputure COB 120d 用フレネルレンズは照射角をズームできる構造なので、もう一つの筒を入れ子にする。真鍮性のメッシュを切り出し、発光菅が通る穴を開け、ここにアルミテープを貼り反射板にする。メッシュ地の反射板を可能な限りパラボラ状に成形する。こうして準備が整った。なお金属板の反射がやや弱い気がしたのでアルミテープを貼りめぐらしている。
こんな感じに集光できた。(発光部:AD360 II / バーンドア、グリッドなどアタッチメントなし)
ズーム角のもっとも広角側で、照射角(ライカ判)24mm相当 / 1m / ISO100 / F32 の光量といったところ。改良の結果、広角端42° 1m / ISO100 / F44。ズームによって狭角にすると照射角(ライカ判)100mm超相当F62超えになる。放熱穴を金属の筒で覆ったことで内部に熱がたまるけれど、ソフトボックスで覆った際の温度上昇とさほど変わらない。集光性については目的は達していると言ってよいだろう。かなりきれいな円を描いている。超広角で撮影した画像をかなり縮小しているためスポットと周辺の光量がかなり段落ちしているように見えるが、実際はもう少しだけ滑らかだ。照射角がAputure COB 120d 用フレネルレンズのカタログ値と違うのは、AD360 IIのチューブがAputure COB 120dのLEDのようにマウント面に整列しているのではなく、筐体内に出っ張っているからだろう。したがって狭角側12°の位置もカタログ通りではなくなる。チューブがマウントのツライチあたりに収まる発光部ならカタログ通りになるはず。
スヌートでは照射範囲が狭すぎ、グリッドよりポイントを絞った高照度部に、できるだけ遠方に、といった理想に近づける工夫をさらに続けてみたいと思う。
金属の筒と反射板のつくり次第で総光量は変わるだろう。懸念する点は放熱だが、なんだったら入れ子構造の筒にせず、レンズ側の放熱穴を生かしたままにする手もありそうだ。なお、何事も自己責任で。
Aputure COB 120d 用フレネルレンズのレンズの内側(筐体側)は不規則な凹凸が施されている。このタイプのフレネルレンズはギラつきを抑えるもので、凹凸パターンのないものもある。裏面に凹凸がないフレネルレンズのほうが光量が稼げたうえで、スポットと周辺部の光量差は段付きつ状かつ変化が大きい。以上、参考までに。
Fumihiro Kato. © 2018 –
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