ライトスタンドを買おう

もちろんライティングをする為ではあるけれど、ライトスタンドを選ぶとき考えておきたいモノゴトについて書こうと思う。30年程前まで、撮影用ライトスタンドは構造の割に高価だったが、最近は新興国で製造されたり新興国のメーカーが販売する製品が登場して価格がこなれてきた。とはいえ、重量のあるストロボのヘッド(発光部)等を装着するし、ヘッド以外のものを固定したり支えたりするためのスタンドなので内容を見極めたうえで購入したいものだ。アマチュアの方でもしライトスタンドを所有していないなら、余裕があるとき購入することを勧める。あるとないとでは、効率が段違いだからだ。

ライトスタンドを購入する際、もっとも最初に気になるのは先端をオスとメスどちらにするかである。国際標準はオスなので、製品数が多く同時に安価なものもある。メスは日本製のストロボヘッド側がオスなのに対応したものだ。いずれであっても変換用のダボが販売されている。図中のスタンドはオス受けのダボが最初から装備されているもので(つまりメス)、スタンド横にある金物はメス受け用の変換ダボだ。ではオス受けとメス受けどちらの変換ダボが安価かとなると、ものによって様々ではあるけれど一般的にメス受け用のダボのほうが安い。スタンドにオス受け、メス受けの変換ダボがあらかじめ添付されて販売されているスタンドもある(元々は国際標準式かメス受け式だが、変換ダボ込みで販売されるスタンド)。

どちらのダボ形式でもあまり変わりはないのだが、注意したいのは製品によってはメス受けダボのネジの部分が劣化して折れる可能性があるところだ。国際標準形式のスタンドを使っていて、スタンドに固定されているメス受け用ダボのネジが折れるとかなりやっかいな話になる。ネジに直接なにかを装着する機会は少ないものの、折れるのは気分がよくないし使い勝手がひとつ悪くなる。折れても構わないと言えばそれまでで、オス受けの変換ダボをつけっぱなしにすればスタンドの用は足りるのだが、ここに更にメス受け変換ダボを装着したりすると「んー?」な感じになるのは想像できるだろう。それぞれ用途に合わせてオスあるいはメスを選ぶのもよいだろうし、どちらかに統一する手もある。私はオス受けのスタンドのほうが個人的には好みだ。

次に気をつけたいのは伸長を調整し固定するパーツだ。これは圧倒的にネジ止め式がよく、ワンタッチで固定するレバー式はいずれ劣化して使い物にならなくなる。劣化によって締め付けがバカになるのは価格帯やメーカー問わず共通した弱点なのだ。

あとはサイズが問題になるが、こればかりは用途に合わせるほかない。まず最初の1台を購入するなら、標準的な2mくらいまで伸ばせるものを買うのがよいだろう。こうしたスタンドを同時に2台くらい買っておかないと、たぶん1台だけでは使い勝手がよくないはずだ。コンパクトタイプと銘打っている製品は、持ち運びが頻繁な人や3台め以降に買うものである。大は小を兼ねるし、目一杯すべてのスライドを伸ばさなければならないものと、何段かは伸ばさないまま使えるサイズのものでは、同じ高さを出したときの強度がまったく異なる。

そして可能な限り、当面は使う見込みがなくても(取り外し可の)ブーム付きまたは単品のブームを最低でも1本用意したい。ブームは単なる棒の両端にオスネジが付いただけのものと、スタンドとドッキングさせ角度調整可能にする支持部が付属したものがある。私は両タイプ所有している。単なる棒をライトスタンドに固定し角度調整可能にするのがダブルヘッドグリップで、これでスタンドのオス受けダボを挟みこんで締め付けて固定する。ダブルヘッドグリップは確実で壊れることのない優れものとはいえ、取り扱いはブームと調整部が一体化したもののほうが圧倒的に楽だ。なので、最初から一体化した製品を購入したほうがよいだろう。とはいえダブルヘッドグリップは何かと便利で思わぬところで活用できるから、後々頃合いを見て購入したらどうだろうか。

ブームで忘れてはならないのがウエイトだ。図を見てもわかるように棒の先にストロボのヘッドなどを装着すれば、テコの原理で実際の重量以上の負荷がスタンドに加わる。したがってブームの反対側に重しを着けないとスタンドは転倒する。ではどれくらいの重量のウエイトが必要になるかといえば、ブームを伸ばす長さにもよるが5kg程度以上なくてはならない。図のブームには砂袋形式のウエイトが装着されていて、これは袋の中に金属製の重し(パチンコ玉やインゴット形式など)を入れるタイプのものだ。このほかクリップが付いた鉄の塊(図のオレンジ色の製品)がある。最低でも5kg程度なので、ブームを1段以上伸ばしてストロボ発光部を装着する場合はより重いものが必要になる。そういうときは砂袋タイプ1つでは足りなくなるかもしれないし(中に入れる金属等の重量による)、鉄の塊にクリップが付いたものでもより重い製品か複数用意しなくてはならない。こうしたウエイトはモノが単純な割に値段が張るので、ブームの後端にフックがついているものならレジ袋に水入りペットボトルを入れて下げる方法もある。しかし2Lのペットボトル2本で4kgだから、やはり5kg相当のウエイトを購入しておきたいものだ。ちなみに水入りペットボトルを使う方法はかっこうは悪いが、出張して撮影する際に空のペットボトルだけ持ち運び、出先で水を汲んで使用できるため荷物の重量軽減に大いに役立つ。出先で水を調達可能で、さらに失礼に当たらないなら、こういう方法もある。

ではライトスタンドの使い方の基本中の基本を書く。脚の開脚は最大にしなければならない。もし空間が狭くて全開脚不可能なら、可能な限り大きく開かなければならない。ウエイトはブーム使用時だけでなく、使用しないときもスタンドの脚に装着させたい。ブームを使用する場合は、まず最初にウエイトを装着し次にストロボのヘッド等の機材を付ける。ブームを伸ばすのも、機材装着前にしたい。スタンドもブームも伸ばす際は、より太い元側のスライドから伸ばし、先端の細いスライドは最後にしよう。想像する以上にスタンドにもブームにも荷重がかかっているので、より強度がある状態で固定しなければならないのだ。

Fumihiro Kato.  © 2017 –

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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なり人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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