画像形式はHEIFへ。JPEGは一気に古びるだろう

HEIF(読みはたぶん「ヒーフ」に固定されるだろう)と聴いてすべてを理解できる人は、現状では一部の開発者だけだろう。かくいう私もHEIF形式の画像を実際に使い込んでいないので、座学レベルの知識とさえ言えない感触のようなものしか得ていない。なのだが、iOS 11で正式にHEIFが採用されただけでなく、iOS 11がインストールできる機種では写真撮影後に書き出される画像はJPEGではなくHEIFに移行され、JPEGを圧倒する圧縮率と画質のよさから今から1年もすればJPEGはあらゆる場面で時代遅になるだろうと感じる。なにかと古臭い規格であるJPEGが今日まで生き延び広く使用されている理由のひとつに、どのようなプラットフォーム(OSやブラウザ)でも閲覧できる点が挙げられるが、iOS 11のデフォルト保存形式としてHEIFが採用され、mac OSでは次のメジャーバージョンアップであるHigh Sierraで同様にサポートされるとあっては、他のOSでも近日中に採用されるだろうし各種ブラウザが無視できるとは思えない。

ではHEIFとは何か、だ。MPEGで定義されているHEVC符号化された静止画像データだ。圧縮率がJPEGと比べて高く、JPEG比約50%圧縮可能とされる。さらに深度情報、透過処理(アルファチャンネル)などJPEGにはない機能を持っている。

HEIFは前述のようにMPEG(Moving Picture Experts Group)によって標準化されたビジュアルメディアのコンテナフォーマットである。形式の定義は2013年に行われ、2015年に完成済みのファイルフォーマットだ。WEBでの対応は、HTML 5.2で定義されているため今後インターネット上の画像表示で使用されるのは間違いない。コンテナフォーマットとは、様々な異なる形式のデータを梱包できる仕様が定まったデジタルの箱であり、たとえばAppleが採用している音楽の可逆圧縮形式であるAlac(アップルロスレス)は、拡張子.m4aというMPEG由来のコンテナに収められ、この中に歌詞のテキストなども同梱できるようになっている。HEIFでは、従来のJPEGイメージやHEIF形式の異なるイメージなどをひとつのファイルにまとめて格納できる。このためブラウザなどのソフトウエアは、複数の選択肢からもっとも適切なファイル(目的にもっとも合致したファイル)を表示することも可能だ。もちろんJPEGより高圧縮かつ画質の維持が容易なHEVC符号化された画像のみも収められる。

複数の画像を梱包できるのだから、フォーカス違いのもの、露出違いのもの、連続撮影した各カットなどがひとつのファイルに収められることを意味する。また画像を開き操作する際にイメージの再エンコーディングが不要のため、画像編集の場面でRAWデータが非破壊編集できるようにオリジナル画像を破壊せず、トリミングなどの変更が施せるようになるだろう。

HEIFファイルに格納できるデータは以下の通り。

画像アイテム:個々の画像、画像プロパティ、およびサムネイルの保存。

派生画像:派生画像は、回転、グリッド、オーバーレイなどの記述に基づいて実行時に生成される。これらの画像は、HEIFファイルに保存されている他の画像に依存する。派生画像のストレージオーバヘッドは小さい。

イメージシーケンス:バースト・フォトショットやシネマグラフのアニメーションのように、複数の時間に関連する時間的および/または予測画像の保存。そのプロパティとサムネイル。画像間の時間的および空間的類似性を利用するために、異なる予測オプションを使用することができる。したがって、同じHEIFファイルに数十の画像が格納されている場合でも、ファイルサイズを大幅に削減できる。

補助画像アイテム:別の画像アイテムを補完する画像データの記憶。このような画像の例としては、アルファ平面や奥行きマップがある。これらのデータはそのままでは表示されないが、別のイメージアイテムを補完するためにさまざまな形式で使用される。

画像のメタデータ:EXIF、XMPなどのメタデータ。

実に多彩なデータが格納できる仕様だ。色深度は12bit(4096階調)描画可能であり、ハードウエア側の能力があれば再生することもできる。

HEIFについては今後も学習と実践を重ねるつもりであり、後日また別項で何らかの記事を書くことになると思う。ながらくJPEGに変わる画像形式の行く末が混沌としていたが、冒頭で述べたようにここから一気にHEIFへ移行がはじまるだろう。

Fumihiro Kato.  © 2017 –

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Profile

F.Hiro.K
加藤(文)文宏 / Fumihiro Bun Kato a.k.a Hiro.K
写真家・作家 / Photographer Author
・北海道北見市生まれ。
・大学卒業時までに詩集「無題あるいはサラバ」、同「Cadenza」発表(共に絶版、在庫なし。「Cafebza」別装丁私家版のみあり)。
・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。
・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他)
・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。
・不二家CI、サントリークォータリー企画・取材、Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告、武田薬品工業広告、他。アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材、MIT Museum 収蔵品撮影 他。
月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。
・長編小説「厨師流浪」で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」他、小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。
・獅子文六研究。
・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。
・各メディアにおけるスチル撮影。
・オリジナルプリントの製作、販売。
・JSAHP正会員
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