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昔のOfficeサイトに20代前半に撮影した写真を掲載して与太話をしたけれど、80年代から90年代にかけて私の撮影テーマはバロックだった。既にコチラのサイトの表玄関に掲載しているのでご覧いただいただろうが、バイト先で知り合った彫刻家の猪狩庄三氏に背景オブジェを制作していただき(もちろん自腹です)バロックをテーマとしたポートレイトまで撮影している。ちなみに撮影関係の助手仕事をしていた先の機材を借りるなんてあり得ず、スタジオを抑える予算もなく、アパートの六畳でbaroqueシリーズのポートレイトを撮影したのだった。しかも当時、大型ストロボなど手元にあるはずもなく、フラッドランプ(写真撮影用のランプ)を光源にしている。フラッドランプの光量は乏しく、そのくせ発熱量は暖房器具ほどある。触れば火傷するくらいはある。よくもまあ撮影したものだし、撮影に協力していただけたものだ。で、撮影後はすぐ現像。フィルムの乾燥を待ち、引き伸ばし。これら暗室作業も、いつものようにこの六畳間でやっている。半切りに伸ばし、セピア系の調色を施しプリントの退色・劣化を防いだ。作品のテーマだけでなく、私自身も内なる中世が終わり文芸復興の時代に突入していたのかもしれない。なにかが破裂しとどまるところを知らぬ勢いで延焼していた時代だったのだろう。
Fumihiro Kato. © 2016 –
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