老成する暇などないはずだ

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1980年代に撮影した写真を掲載しているのは、過去を懐かしんで振り返っているわけではない。過去に対して何か思いがあるとしたら、6×7でも4×5でも重量体積ともにまったく苦にならなかった肉体への時系列を逆行した憧れがあるだけ。

正直なところ事務所サイトのブログに古いレンズの話など書いたことを後悔している。ま、そういう記事に毎日たくさんの方がいらっしゃるのだが、機材なんて写ること最優先くらいに考えたほうがよいと思うし、この気持ちを伝えたいのだが難しい。説教くさくなるしね。

二足、三足のわらじを履いていたとき、私は仕事場近くの某所のコインロッカーに機材一式をしまっていた。正確には、ひとつのドア内にすべてをしまいきれず、長ものが入る大型ロッカー二つと中型ひとつを占拠していた。仕事Aが終わったら、撮影仕事BのためコインロッカーからRB(のちにRZ)67あたりが入ったバッグを取り出すといった生活だったのだ。

いま思えば、たいへん世話になったRB、RZ67、さらにC330のレンズはとても好ましいものだったし、ボディはタフで信頼感があった。しかしああいう暮らしをしていたとき、レンズの味なんて三の次、四の次だった。それより仕事Aの関係者に仕事Bのことを知られないよう用心するほうが大事だった。余計な事態に陥らないように振る舞い続けるのは、ほんとうにつらかった。

でも、それはそれでよかった。撮影枚数をマイレージのように伸ばせたありがたい時代だったと思う。機材なんて写ること最優先で、とにかく撮影できたのをよかったと思う。

 

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Baroque Film 80 ‘s , 90 ‘s

 

Photo by Fumihiro Kato.  © 2016-

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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なり人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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