Capture One のオートマスクを使うこつ

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Capture One を選択し使う最大のメリットは重箱の隅にとどまらず痒いところすべてに手がとどく機能と、なんといっても部分調整にこれらほとんどの機能が適応できる点だろう。色温度色かぶり、応答特性、色に関しての様々な調整といったものが全体だけでなく指定した個々の部分で変更可能だ。でも全体から部分を選択するには、正確にマスク指定しなければならず、塗りつぶしてマスクを切る際に他の領域との境界がいい加減では、強力な個別調整が可能なだけにおかしな輪郭線などが目立って写真が台無しになる。Capture Oneの部分調整に挑戦して挫折する人は、たぶんここで心が折れているのではないだろうか。

調整したい箇所を指定するのは筆先アイコンのペイントツールで、カーソルを操るのと同様にマウスを使ったり、液タブなどを使ったりするだろうが、どちらも操作に慣れていないと鉛筆や筆を握って紙になにかを書くのと大違いの下手くそさになりがちだ。この辺りはCapture Oneも重々心得ていて自動化ツールを用意している。この自動化ツールが「オートマスク」だ。オートマスクと言っても、筆先アイコンのペイントツールにまったく触れずに心に思い描いた領域を塗りつぶしてくれる自動化ではない。指定したい箇所と周辺の境界を自動検出して、塗り絵でいえば枠線を超えず枠内ぴったりを塗りつぶす機能だ。全自動ではないが、とても便利である。なのだけれど、AIの認識より人間の感覚のほうが精密なのは当然で、やはりすべてを任せられないところがある。ならば、AIに二、三歩あゆみ寄ってやろうという話が当記事の内容だ。

オートマスクにチェックマークを入れると塗りつぶしの筆先(ポインタ)が図のように変わり中央に➕マークが入る。手動で塗りつぶすとき人間は、色、テクスチャ、輝度などを頼りに塗りつぶす場所とはみ出してはならない場所を認識するが、Capture Oneも同じ方法でマスクする箇所を検知、検出している。➕マークはポインタの中心点であると同時に、色、テクスチャ、輝度を検知する中心点でもある。つまり、マスクしたい内容(色、テクスチャ、輝度など)を➕マークが確実に通過するように扱う。もしマスクしたくない色、テクスチャ、輝度などを通過させてしまうと、本来の意図と別の領域を学習することになり、望んでいた範囲外まで塗りつぶしが及ぶ。

ポインタによる学習は、マウスまたは液タブ専用ペンでの1回の塗りだけ(いわゆる「ひと筆」)に対応し、次に塗る際に前の学習はクリアされ新たなサンプリングと学習を行う。

ポインタの塗りつぶし領域とぼかし領域のそれぞれの外周あたりに、境界検知の機能がある。したがって、塗りつぶしを行う際は「塗りつぶし領域」の外周で境界をなぞるようにして、「ぼかし領域」を境界の外へはみ出させると正確さが増す。

このとき人間のためには画像をできるだけ拡大していたほうがマウスまたは液タブ専用ペンを使うのが楽で正確さが増し、AIのためにはポインタそのものを大きめにしたうえで「ぼかし領域」を大きく取ると検知、検出、学習、塗りつぶしの精度が増す。豪快に「ぼかし領域」をはみ出させるくらいでよいかもしれない。

人間は色、テクスチャ、輝度だけでなく画像の意味や写っているものが何かを含めて境界を認識しているが、AIは意味や物体がナニカまでは理解できない。このため色、テクスチャ、輝度の差が小さいときAIは境界を誤認識しがちだ。確実に認識できるのは色、テクスチャ、輝度の差がはっきりしている画像と割り切って考えたほうがよく、もし差が小さくはっきりしない場合は部分調整をする前に画像全体の色、テクスチャ、輝度を大げさに変更しておいたほうがよい。マスクを必要なだけ切り、それぞれを調整する段階で大げさに変更した色、テクスチャ、輝度などを元に戻すのだ。

AIが得意とする順は、輝度、色、テクスチャである。テクスチャは同じでも色が違う場合があれば、色を優先してマスクは自動設定される。赤い布に白い柄が点在しているなら、布目(テクスチャ)より地色の赤を見分けて塗りつぶしが行われ、ポインタが通過していても白い部分は範囲外として残される。このように塗りがまだらになったら、塗り残しに中央の➕を確実に通過させるか、「塗りつぶし領域」の円周を小さくして検知、検出すべき箇所は二つ(あるいは多数)の要素であるとCapture Oneに教えるつもりで再度塗るかすればよい。

ほぼこれでオートマスクは使いこなせると思うが、ひとつ注意したいのは境界部は往往にして内と外で色、テクスチャ、輝度の差が小さく、ここまでに記した方法を用いてもおかしなマスクになりやすい点だ。おかしなマスクとは、前述の塗り残しもあれば、双方の領域または片側に本来の境界と異なる「ギザギサな境界」が引かれる場合がある。このため人間にとって作業しやすく、チェックしやすいように画像は拡大して視認したい。

塗りつぶしの失敗と、誤検知によるおかしな塗りは、消しゴムツールで修正することができ、このときポインタの中央に➖マークが出ているだろう。➖マークが出ている消しゴムツールにもオートマスクは適応され、たぶん塗りがはみ出した部分を修正することになるだろうが外側を検知して境界の内側をAIが調整する。消しゴムで正常な内側の塗りを消してしまっても、AIによってもう一度ちゃんと塗り直されるはずだ。しかしこれは、もしかすると人間が把握している境界と違うかもしれない。このようなときは、オートマスクを無効にして消したり塗り直したりすることになる。

先に紹介した「ギザギサな境界」は、数ピクセル程度の範囲に発生する。このためツールを最小のサイズにしても正確に消したり塗り直したりが難しく、そもそも誤検知されるような曖昧な部分なので修正が難しい。もしかしたら不可能かもしれない。こういった場合は画像を最大倍率にしたうえで、オートマスクを使わず慎重に塗りつぶしを行うか、このまま画像生成したのちにPhotoshopで更に拡大率を上げてスタンプツールなどで「ギザギサな塗り」でおかしくなったところを修正するのがよいだろう。どちらの方法が楽で確実かは人によって違うだろうが、私はPhotoshopのほうが圧倒的によいと思っている。

Fumihiro Kato.  © 2017 –

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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なり人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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