三峡ダム建設にともない沈んだ四川省の街

取材は2001年の春。いずれのカットも未発表のものだ。ボツにはボツの理由がそれなりにあり、結果がよくないため使用されなかったカットである。現在の中華人民共和国ほどではないだろうが、撮影と取材をしている背後に警察官が現れたり隠れたりし、言葉は悪いが隠し撮りのような手法で撮影している。このとき同行していた中国人の王君が「はやく、はやく」と私を青い顔で急かしていた。彼に警官がついて回る理由を尋ねたが「わからない」、「私服(警官/公安)もいる」としか答えてもらえなかった。ライカM6を使用。

煉瓦積みの上に木造家屋の二階がつくられているように見える写真は、旧城郭を半ば破壊した上に増築された家だ。都市や街を取り囲む中国の城郭だが、ほとんどが文化大革命時に跡形もなく破壊され、石材等は道路の舗装などに転用された。撮影地は自貢市からさらに奥地。たかだか十数年前ではあるが、当時、中華人民共和国でカメラを所有している人は稀だった。したがって、三峡ダム建設にともない沈んだ街を記録した写真はそう多くはないだろうと思う。

フィルムよりスキャン。

Photo by Fumihiro Kato.  © 2016-

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Profile

F.Hiro.K
加藤(文)文宏 / Fumihiro Bun Kato a.k.a Hiro.K
写真家・作家 / Photographer Author
・北海道北見市生まれ。
・大学卒業時までに詩集「無題あるいはサラバ」、同「Cadenza」発表(共に絶版、在庫なし。「Cafebza」別装丁私家版のみあり)。
・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。
・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他)
・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。
・不二家CI、サントリークォータリー企画・取材、Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告、武田薬品工業広告、他。アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材、MIT Museum 収蔵品撮影 他。
月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。
・長編小説「厨師流浪」で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」他、小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。
・獅子文六研究。
・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。
・各メディアにおけるスチル撮影。
・オリジナルプリントの製作、販売。
・JSAHP正会員
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