2019.12月千葉外房はどうだったか

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私は関東では房総半島で作品づくりの撮影をすることが多い。

つまり本年の台風がもたらした千葉県への被害はまったく他人事ではなく、仕事が滞るだけならまだしも、愛すべき土地と人々が痛ましい状態にあるのは日々のどんなときも心を締め付けられとてもつらいのだった。

南房総、館山方面では施設が破壊され復旧は来年になるのではないかと思われるテーマパークやペンションがある。人々の暮らしはほぼ平常に戻っているけれど、それぞれの方々に個別の問題があるだろう。

復旧している施設は多いので、ためらわず出かけていただきたいと思う。

外房、九十九里から銚子は実に広大な地域ゆえ南房総以上に一言では語れないものがある。まったく台風被害を感じさせない場所や施設があるいっぽうで、修理のあとや修理を放棄した様子もまた見られる。

ただし、こちらも平常の時間を取りもどし元気一杯がんばっている商売が多いので、遊びに買い物に出かけていただきたいと思う。

12月に入って、外房の海で撮影をしてきた。

今年のおかしな天候と気温のせいで、早朝の九十九里はまるで関東の2月頃の空模様だった。

作田・早朝の九十九里を行く自転車の老婆

これは南房総にも言えることだが、海岸そのものに今秋の台風の傷跡はそうそう見つからない。自然は、自然の威力に傷つけられても懐深く受け入れ、そしてやり過ごすのだろう。

人が海につくったもの、他の土地から移した植物たちはまったく別の話であり、とてももろい。こんなのはあたりまえだろうが、実際に対比を目にするとため息が漏れる。

今回の撮影でもまた見かけたが、九十九里漁港周辺から飯岡あたりまでの砂浜を地元の人が自転車で移動しているのは何なんだろうか。私がはじめて九十九里を訪ねた30年くらい前もそうだった。

車通りのある道を自転車で走って海沿いに移動するより、邪魔するものがない砂浜を走るのが自然なことなのかもしれない。そうでなかったとしても砂浜もまた移動のための道という根っからの認識なのだろう。

そうとわかっていても、広々した砂と海だけの景色のなかを自転車で移動する人を見ると不思議な気持ちになる。

(今回撮影の作品は順次ギャラリーで公開・販売します)

© Fumihiro Kato.
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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なる人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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