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ソフトボックス(バンクライト)より以前、アンブレラによって面光源・拡散光をつくっていたし、もっと以前から空間にトレペ・ディフューザーを張ることで同様の効果を得ていた。という話は何度も繰り返してきたし、ソフトボックスってそんなにいいものかなとも言ってきた。アンブレラからソフトボックスに移行した理由だが、ひとつはアンブレラにトレペを貼るのが手間だし面倒だったからと言ってよく、またアンブレラが傘に反射させるのに対してソフトボックスは開口部に向けて光源を発光させるため照射範囲を限定しやすかったからでもあるだろう。空間にトレペ・ディフューザーを張った状態をワンパッケージにしたものがソフトボックスであり、アンブレラから先祖返りしているとも言える。
ソフトボックスに私が感じる「飽き加減」は、光源とトレペ・ディフューザーと内面が反射素材の遮蔽体の組み合わせがワンパッケージ化され画一的になっている所で、これが確実で便利であることとのトレードオフ関係にあるからだ。なんだけど正方形と長方形のソフトボックスを私は所有していて使っていて、せっかくの便利道具なのだから使うのをやめようとは口が裂けても言えない。ただし、そのまま使うといっつもメーカーが想定した光にしかならないのでいろいろ変なことをしている。二重ディフューザーのソフトボックスの内側を外すのはよくあるけれど、私は外側をはずして内側だけにして使ったり、外・内ともに使い内側のディフューザーの真ん中に黒紙を貼ったりする。こうなるとソフトボックスのガワだけ利用しているようなものだが、ガワがすでに形になっている利便性ははかり知れない。
ところでオクタゴン型のソフトボックスがあるけれど、ディフューザー付きのアンブレラではダメなのかなあ。違いはあるにしても、オクタゴン型は骨がいっぱいあって組み立てが面倒じゃないですか。オクタゴン型にしたいのは面光源を円形に近づけたいからで、だったらディフューザー付きのアンブレラなら骨は10本くらいあるし(ないものもあるけど)もっと円形に近いではないか。実際のところ、構造と組み立てかたを傘と同じにして付属のディフューザーを平たく張れるオクタゴン型のソフトボックスというものがあって、当然のこと光源は傘側に照射する。これはもうアンブレラであって、ディフューザーを平たく張ることでグリッドが使える便利道具と言える。
そして話は冒頭に戻る。アンブレラの光は指向性が低いとしても、そんなに嫌うほどのものかな。アンブレラには単体で使うケースとディフューザーを開口部に貼るケースがあるのは前述の通りで、ディフューザー(トレペを切って)を貼るのは職人技的であり燃える可能性もあるからソフトボックスのほうがよいだろうとなったけど、ディフューザー付きのアンブレラをぱっと開くほうが仕事は圧倒的早いのである。しかもスピードリングなんてものが必要ないし。
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