ストロボにはリフレクターを外す選択肢もある

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通称お釜、正式名称リフレクターはストロボに欠くべからざる存在のように思われているし、必要なシーンが多いのだけど、取り外しできるものなのだからライティングに迷ったらリフレクターをとっぱらう選択肢を思い出してみるべきだと思う。リフレクターなしのほうが自然であったり、意図通りだったりするケースは多い。

ソフトボックスやアンブレラを使うのは面光源や拡散光を得るのに楽だからという理由以外にない。いずれの装置も装置ゆえに、大中小いずれかのサイズに縛られた上で被写体に合わせて選択する他ない。しかも大、小のサイズは用意しにくいか、そもそも製品サイズが被写体に合わない場合が多い。物撮りで装置をつかわずディフューザーを貼るなどするのは、こちらのほうが意図通りにできるだけでなく装置のサイズがしっくりこないからでもある。面光源や拡散光を得るのに楽なはずの装置を使わないほうが、圧倒的に意図通りにできる場合があるのは物撮りに限った話ではない。

一例だが、人物の全身または椅子に座った姿を撮影する際に、被写体なみに大きなソフトボックスやアンブレラを用意するより、カポックや白色の大型レフにストロボ光を反射させたほうがよっぽど均一で大きな面光源を得られるのは知られている。大きなカポック等を用意するほうが面倒なら装置を使うべきだが、常に選択肢は可能性を広く持っていた方がよいのはあたりまえだ。

カポックや大型のレフにストロボ光を反射させると、壁面や天井バウンスと同じで想像以上に使えるのだけど、余計なところに光が飛ぶとか、効率が悪かったり均一性に問題が生じるなら両側面に反射体を立てるとよい。こうすればカポックを自立させることもできる。パラボラ型の面で被写体側に光を反射させるアンブレラと比較して、平面に反射させるので照度の効率はやや落ちるが光はより拡散する。ここで冒頭の話になるのだが、ストロボにリフレクーをつけた場合と外して裸にしたときでは光の効果が大きく変わる。あたりまえと言っても、リフレクターがないとストロボは発光してはならない的な宗教を信じていると思いつけない。こうしたライティング方法には、ストロボの発光を反射面ではなく被写体側に向ける場合もある。この場合はディフューザーがないと反射体を置く意味がなくなるけれど、つまりソフトボックスを自製したことになる。そしてリフレクターありなしで効果が変わる。

アンブレラの場合リフレクターなしでは効率が下がるだけだし、ソフトボックスはほとんどの場合ストロボのアタッチメントマウントに装着するものだからリフレクターを外すほかない。なかにはGODOXのAD360のようにボーエンズマウントアダプターに固定してソフトボックスを装着するケースがあり、こうしたときストロボ固有のアタッチメントマウントにリフレクターをつけると当然効果に変化が生じる。私はさらにソフトボックスのもっとも外側にあるディフューザーを取り外す選択肢を加え、内面にあるディフューザーだけにしたりリフレクターのありなしを試みたりしている。

で思うのは、みんなそろそろソフトボックスに飽きてきてない? ということ。もっと自由に考えていいと思うよ。

Fumihiro Kato.  © 2018 –

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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なる人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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