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100円ショップを冷やかし半分に物色していると撮影に使えそうなものがいっぱいあるのに気づく。先日、某所のダイソーを物色していたら口径7.5cm、8cmと様々なサイズ違いで茶こしがあり、迷わず8cmのものを買って工作したうえで小さなリフレクターをつくった。写真機材以外の分野の企業が(効率と効果を考えて)照明用小型リフレクターをつくっていて相応の価格が設定されているか最低購入ロットがあったりするが、ダイソーの茶こしなら手にとって100円プラス消費税といっしょにレジに持っていくだけだ。このようにケチな私は、スヌートは単純な構造なのに一流メーカーの製品は高いなあと常々感じる。最近はボーエンズマウントを採用した中華製が1000円代からあるので目くじらを立てるほどではないけれど。
スヌートは狭い範囲だけ照明するためのアタッチメントだ。標準的なリフレクターは口径が十数cmあり、開口部から自由気ままに光が放射される。スヌートは口径を絞ることで照射範囲を狭めている。ただこれだけ、だ。リフレクターはお椀型の絞りかたや内面の反射性の違いでけっこう効果に差がでるのだが、スヌートは開口部を狭くしてやれば形状による効果の違いはほとんどない。開口部にグリッドが必要ないなら容易に自作できる。燃える可能性があるからオススメしないが、黒紙で三角帽子をつくって先端を切り取るだけだ。なんだったら、茶筒の蓋の中心に穴を開けたようなものでもよい。
ただし、大まかに分類して次の2点で光の性格が変わる。
1. 内部を無反射にするか反射する状態にするか。
2. 開口部を直線切り落としにするか山型カットにするか。
内部を白色または銀色に塗装したり、こうした素材を貼った場合、光の収斂度が低くなる。つまりやや広角度になるのだが、最高輝度の範囲の外にぼかしがにじむスポット光になる。開口部をギザギサに山型カットを施しクリームの絞り袋に使う絞り金そっくりにすると、やはり光の収斂度が低くなり最高輝度部から徐々に輝度が下がるものになる。この二つを組み合わせると相乗効果でさらに光の収斂度が低くなる。
黒ケント紙などでスヌートをつくるのは燃える可能性があるため避けたいと書いたが、難燃性の合成レザーや同厚手布で形状を保てるハリがあるものにマジックテープを貼って三角帽子型にしたうえで開口部にギザを入れる手はある。あまり細かな山型では効果はないが、大胆に切り込みを入れると光はスポット状に絞り込まれつつ輪郭が曖昧に広がる効果が出る。メリットは効果そのもののほか、山型カットにしないものでも持ち運ぶ際や収納時にくるくる丸められる点にある。カメラと三脚、ライトスタンドだけでも大荷物になるうえに、ストロボはもちろんリフレクターやらソフトボックスあるいはアンブレラ等々が加わって金物屋さんの引越しみたいな状態になりがちのところを、たった一つ二つとはいえコンパクトにできるのだ。
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