GODOX V860ⅡとX1Tの設定

この記事の内容よりわかりやすい説明を別ページとして用意しました。GODOX AD360IIやV860ⅡとX1Tを設定する方法を求めて来られた方は新記事へ移動してください。こちらです。

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GODOX V860ⅡとX1Tの取扱説明書がわかりにくいという大問題がある。ただし、まったくわからない訳でなく、落ち着いてそもそも論としてストロボなんてみんな同じと腹をくくるとさほど難解なシステムではない。

最初にざっくり書けば、送信機 X1Tはチャンネルごと数台のV860Ⅱを個々に操作できるようになっている。このチャンネル内の数台のストロボをグループ(表記はGR)と呼んでいる。多くの人は、 X1Tから発射される電波でV860Ⅱをコントロールしようとしているはずだ。X1Tには赤外線通信機能もあるので、こちらでも同様のコントロールはできるが見通しが悪い設置では障害物や距離が障害になるだろう。いずれにしても、 X1Tはチャンネルごとに複数のストロボ、このチャンネル内でも複数のストロボをコントロールすることができる。このときX1Tは主人(master)V860Ⅱは奴隷(slave)だ。なので、V860Ⅱのディスプレイにslaveと表示されているとき、このモードはX1Tの命令を聞く用意ができていることを意味する。slaveの表示がないときは、X1Tのコントロールと関係なく自立して動作するか、他のストロボのmasterになっている状態だ。

V860ⅡとX1Tの取説を煩雑にしているのは、チャンネル(ch)、グループ(GR)、master、slaveの概念と定義だ。masterとslaveは、「他に命令を発信するmaster」と「命令を受けるslave」の関係にある。チャンネルは1ch〜34chまであり、それぞれのチャンネル内にグループと称する受信側slaveストロボを割り当てる。グループはストロボが1台でも1グループである。グループはA,B,Cとアルファベット名が割り当てられている。V860Ⅱは従来のクリップオン・ストロボと違い送信機を内蔵しているため、この点を難しく感じるかもしれない。また通信方式が赤外線と電波の2種であるため、ここで混乱している人もいるかもしれない。

V860ⅡとX1Tを所有している人は、まずV860Ⅱを設定したほうが理解しやすく間違いがないと思う。

ディスプレイの下に並んでいる6つのボタンのうち、右端にある状マークのボタンを押すと「通信に関してのモード」になり、これらの設定ができる。このボタンを何回か押して行くと、ディスプレスがになったりオレンジ色になったりする。オレンジ色は、V860Ⅱが奴隷(slave)として働く通信モードで、グリーンはV860Ⅱが主人(master)になって他のslave群に電波か赤外線を飛ばす通信モードだ。したがってX1Tからの命令を受けるときは、ディスプレイがオレンジの地色でなくてはならない。こうしてslaveモードになっているとき、ストロボ前面の赤い透明プラスチック部でランプが点滅しているはずだ。鬱陶しい気はするが、これがslaveモードになっているのを示す表示だ。どうも点滅は消灯できないらしい。

右端にある状のマークがあるボタンを押してモードが変わると、地色の変化だけでなくディスプレイの左上隅にイナズマのような斜体マークとマッチ棒の様なマークが入れ替わり立ち替わり現れるのに気づくだろう。イナズマは赤外線通信、マッチ棒のようなものはアンテナで無線通信のモードの状態を示している。こうして、赤外線通信か電波による通信かコントロール体系を選択することになる。

ディスプレイの下に並んでいるボタンのうち左端はMODEと表示されている。これはTTL調光かマニュアルか点滅発光かを選ぶボタンだ。このボタンと右端にある状のマークがあるボタンを使って、TTL調光,マニュアル,点滅発光、masterslave, 赤外線通信を使用するか電波通信か画面を切り替えてモード選択する。

わからくなったら状のマークボタンとMODEボタンをとりあえず押して行けば必要なモードに変わるだろう。

V860Ⅱがmaster(緑画面)のときは赤外線通信と電波通信いずれであっても、ディスプレイの真ん中の縦列は上からM,A,B,Cとなっているはずだ。この縦列がストロボのグループで、Mはmasterとなっている設定中のV860Ⅱそのもの他はslaveさせる他のストロボだ。ディスプレイの左端に、チャンネルが1chなどと表示されている。チャンネルを変えるには、ディスプレイ下側の表示に従い、その表示の真下のボタンを押し、ホイールを回してチャンネルを変える。グループ内のM,A,B,Cを選択するときも同様にする。光量の設定も同じだ。

V860Ⅱがslave(オレンジ画面)のとき、このV860Ⅱはmasterから命令されるだけなので他のストロボとのグループは当然表示されない。これらを変える方法はmasterについて説明した方法と同じだ。マニュアル発光、点灯発光も同様である。

設定がslaveでTTL調光が選択され、X1TからのTTL信号が識別されたとき液晶にNIKONまたはCANONのように社名が表示される。

 

次にX1Tについて説明する。

X1Tはシンクロのトリガー、各ストロボの光量調整、TTL調光の情報伝達をする発信機だ。V860Ⅱの項で説明したように、コントロールしようとしているslave側のストロボをチャンネルごと、チャンネル内のグループごと操作できる。冒頭に記したが、グループは受信側が1台でもグループと呼ばれる点は注意しておきたい。もし同チャンネル同グループに設定されたストロボ側が複数台あれば、まとめて同じ設定でコントロールされることになる。

もし複数台のストロボを別々にコントロールしたいなら、V860Ⅱの設定で説明したようにあらかじめストロボにチャンネルとグループの割り当てをしておかなければならない。

チャンネルは1ch〜34chまであるが、すべて使い切る用途はほとんどないだろう。また操作したいストロボの数もせいぜい数台だろう。なので、大概は1chだけ使えば済むはずだ。しかし、撮影しようとしている場所に他の2.4GHz帯の電波を使ったトリガーや何らかのコントローラーを使用する人がいると混信が生じる可能性がある。このようなときは、混信しないようにチャンネルを変えなければならない。

X1Tの設定は、3つのボタンのワンクリックか長押しで行う。電源を入れても、液晶画面が暗いときはボタンの操作を受け付けないので注意したい。画面が暗い状態には2種類あり、なにも表示されていない状態、暗いけれど情報が表示されている状態(バックライトが消えている)がある。これらはボタンを押すかホイールを回すと復帰する。

V860Ⅱで説明したので、ch,GR,MODEが意味するものと、これらで設定できる項目は理解済みのものとする。X1Tの液晶表示は上下方向に3段だ。2段目(真ん中)に表示されているグループが、ボタンのクリックで変更できる。したがって、設定を変更したいグループがあれば、ホイールを使って液晶表示の2段目に移動させなければならない。

X1Tのファンクション設定はchボタンの長押し(2秒)で呼び出す。ファンクションの変更設定は、ホイールを回してNo.を選択、GRボタンを長押ししてカスタムNo.が点滅させ、ホイールを回して設定を変更の順に進める。

実はここが難所で、X1Tのファームウエアのバージョンによって内容と表示形式が異なるようなのだ。したがって、ここに記載した内容通りに表示されないケースもあり得るし、今後ファームウエアが更新されたなら変更されるかもしれない。下記と違うパターンの場合は、異なっているFnナンバーや項目を類推してもらいたい。

(ニコン用)

C.Fn-00 シンクロディレイ
シンクロするタイミングを後方へずらす。

C.Fn-01 シングルコンタクトモード
ONは、X1Tをホットシューを使用しないでシンクロコードを用いて接続する際の設定。ホットシューを使用している場合はスリープと復帰は接点から信号を受けて行われるが、シンクロコードではこれらの信号を受信できないためスリープから復帰できない。なので、スリープをしないようにするモード。

C.Fn-02 ズームセッティング
ストロボ照射角の設定。X1T側から強制的にストロボの照射角をコントロールするモード。ただし、ここで設定された照射角はslaveされる全ストロボ一斉に変更されるので注意したい。もし、照射角を個別に設定したい場合は個々のストロボ本体側で設定を行っておく。

C.Fn-03 シンクロソケット接続の有無
inはシンクロコードをカメラに接続の場合。
ouはシンクロコードをストロボに接続の場合。

C.Fn-04 マルチフラッシュ発光
0はOFF
1はON

C.Fn-05 発光量の最小値設定
ストロボの最小発光値を1/128にするか1/256にするか。

C.Fn-06 AFアシスト
–はOFF
onはON

C.Fn-07 GRモード時のグループ数の設定
グループ数を5グループにするか3グループにするか。グループにはM(master)が含まれるた実質は6か4いずれかのグループにするか設定を行う。もし、多数のストロボをslaveさせないなら、3グループに絞ったほうが煩雑でなくよいだろう。

C.Fn-08 ビープ音の有無
設定変更時やシンクロ時のビープ音を入れたり切ったりする設定。この設定が効くのはGODOX製ストロボのみ。

 

(キヤノン用)

C.Fn-00 シンクロディレイ
シンクロするタイミングを後方へずらす。

C.Fn-01 シングルコンタクトモード
ONは、X1Tをホットシューを使用しないでシンクロコードを用いて接続する際の設定。ホットシューを使用している場合はスリープと復帰は接点から信号を受けて行われるが、シンクロコードではこれらの信号を受信できないためスリープから復帰できない。なので、スリープをしないようにするモード。

C.Fn-02 ズームセッティング
ストロボ照射角の設定。X1T側から強制的にストロボの照射角をコントロールするモード。ただし、ここで設定された照射角はslaveされる全ストロボ一斉に変更されるので注意したい。もし、照射角を個別に設定したい場合は個々のストロボ本体側で設定を行っておく。

C.Fn-03 シンクロソケット接続の有無
inはシンクロコードをカメラに接続の場合。
ouはシンクロコードをストロボに接続の場合。

C.Fn-04 後幕シンクロ発光
後幕シンクロを行う場合に設定。

C.Fn-05 発光量の最小値設定
ストロボの最小発光値を1/128にするか1/256にするか。

C.Fn-06 GRモード時のグループ数の設定
グループ数を5グループにするか3グループにするか。グループにはM(master)が含まれるた実質は6か4いずれかのグループにするか設定を行う。もし、多数のストロボをslaveさせないなら、3グループに絞ったほうが煩雑でなくよいだろう。

C.Fn-07 ビープ音の有無
設定変更時やシンクロ時のビープ音を入れたり切ったりする設定。この設定が効くのはGODOX製ストロボのみ。

C.Fn-08設定値の強制送信

 

著作権の関係で取説等に用いられている図版が使用できないためわかりにくい点があるかもしれない。また私の説明が間違っている可能性もあるし、言葉足らずで誤読を誘引する可能性もある。ただし、落ち着いて操作すればひとまず難問は解決されるだろう。V860ⅡとX1Tを操作する上でのキモは、チャンネル(ch)、グループ(GR)、master、slaveの概念と定義だ。ここに赤外線通信と電波の通信の別がある。V860Ⅱのややこしさは、自らがslaveだけでなくmasterにもなり、送信機能を持っている点だ。このため何事も従来のクリップオンストロボの機能×2になっている。しかし、V860Ⅱのどのような機能を使うか使用する人ごとかなり絞り込まれるだろう。TTL調光とマニュアル発光のふたつをslaveで使う、のような具合で他はほとんど関係ない機能になる。したがって、重点的に操作方法を習得する項目は従来通り大して多くないのだから、トラブルがあってもお茶でも飲んで気を落ち着けてから取り組めば必ず道は開けるだろう。

もし、それでも手に余ると感じたらXT16システムでコントロールする手もある。こちらはTTL調光不可能で主として調光設定とトリガーだけだがchの概念させ理解できれば操作できるだろうし、機能が単純なので通信エラーがほとんど発生しない。ただし受信機側はADシリーズとVシリーズ別なので気をつけたい。

X1Tに不安要素があるとすれば、通信エラーとスリープ等で接続が切れる問題だ。多灯シンクロでTTL調光を使用するのが便利な人には活用しどころがあるだろうが、単体露出計で計測しつつ発光量を設定するのが一般的かつ確実であるから、これからもXT16は使える機材と言えるだろう。XT16ではV860Ⅱは緑画面のmasterでマニュアルモードで発光量・トリガー共動作する。トリガーだけなら他の無線モードでも使用できるので注意。

(Godox Q&Aより引用)
Q: Why X1 can not trigger in near distance
A: Please upgrade the newly version(X1C V15,X1N V16,X1S V13), long press the TEST button and turn on the power simultaneously until STATUS blink for 2 seconds,0-30m remote control can be selected.
Q:なぜX1を近距離でトリガーするとシンクロに失敗するのですか?
A:ファームウエアを新バージョン(X1C V15、X1N V16、X1S V13)にアップグレードし、TESTボタンを長押ししてSTATUSが2秒間点滅するまで同時に電源を入れ、0-30mのリモコンを選択してください。

 

Fumihiro Kato.  © 2017 –

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Profile

F.Hiro.K
加藤(文)文宏 / Fumihiro Bun Kato a.k.a Hiro.K
写真家・作家 / Photographer Author
・北海道北見市生まれ。
・大学卒業時までに詩集「無題あるいはサラバ」、同「Cadenza」発表(共に絶版、在庫なし。「Cafebza」別装丁私家版のみあり)。
・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。
・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他)
・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。
・不二家CI、サントリークォータリー企画・取材、Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告、武田薬品工業広告、他。アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材、MIT Museum 収蔵品撮影 他。
月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。
・長編小説「厨師流浪」で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」他、小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。
・獅子文六研究。
・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。
・各メディアにおけるスチル撮影。
・オリジナルプリントの製作、販売。
・JSAHP正会員
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