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Workshopの目測撮影の項の図を改定しました。もったいないので、ここにも貼ります。
ついでなので、何かを書いておこう。
現在オートフォーカスがあたりまえのモノゴトになっていて、目測撮影は特別なテクニックのようにされているけれど、んなーことはない。アシスタントさんに、「70センチくらいかさ上げして」と頼んでこれがちゃちゃっとできないなんてことになると、三脚を投げつけるような真似はしないけど、やっぱりがっくりくる。職業的に写真を撮影しないとしても、被写体のサイズやワーキングディスタンスの見当をつけられないのは、これだけで時間もチャンスも無駄にしていることになる。
で、建築関係の職人さんはもちろんメジャー等の道具を使ってはいるが、何センチと言われればほぼ正確に長さをイメージできるだろう。これが無駄なものであるなら、そんな感覚なんか頭から捨て去っているはず。建築と写真は関係ない、というのはまあ正しい。しかし職人さんから学ぶものはたくさんある。長さの感覚だけでなく、いろいろある。仕事の仕方そのもの、そっくり学んでも損はないくらいある。
長さ、距離の感覚にとどまらず、自分で発見して獲得したものでないなら、撮影や現像に活かせない。私が「あれこれは、こうする」と文章にしたところで、実際に自ら実験しなかったらいつか忘れる。忘れていないとしても、ちゃんと活かせない。
デジタルだからなんでもできる。と、いう風潮が写真にもある。この「できる」は自分の能力としてできるのではなく、機材がやってくれるということ。オートフォーカスしかり、連写枚数しかり、だ。こういうものごとを重箱の隅をつつくようにして「あのカメラはダメだ」「このカメラは期待通りだ」なんて言っている人がいて、これらに私がとても批判的なのはここを読んでくださっている方は承知しているはずだ。機能や新しいジャンルを批判したいのでなく、ちゃんと写真と向き合わず機材だけ愛玩している人々が気持ち悪いのだ。
「まあそんなに熱くならないで」と人は言う。だが申し訳ないけど私は、なにかを創ることに関して名誉と人生の時間をつぎ込んでいるから熱くならずにいられない。で、クールなのは作品だけでよいのであって、人間性からして醒めた気持ちでなにごとかを創作している人が大嫌いだ。だって、そうでしょう。
あらあら脱線しすぎた。私のゴールデンウイークは、これといって何も予定がない。ロケに出たところで人だかり、人の波、人の海だろうし。それと、上半期最大のやっかいごとが大体決着がついて、これに費やした体力と精神を休めなければならない。みなさんも英気を養う日々として休日を利用されるはず。で、ここ一番がんばって写真を撮ろうという人もいるだろう。どうか、新たなこと、いままでできなかったことに果敢に挑戦して、体験を実技に蓄えられますように。そして、他人の写真をたくさん見てください。
まとまりがないまま、ではでは。
Fumihiro Kato. © 2017 –
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