レンズ装着でボディーに傷の話をすこし

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私はPENTAXとは縁がなく同ブランドではSPとSLをすこしばかり使い「なかなかいいね」と懐かしむ程度なので、深く突っ込んで話をするつもりはない。という、前提で。

PENTAXのボディにシグマのレンズを装着してボディーに傷だそうだ。どうしてこんなことになったか、だ。たぶん原因は、ボディーをリバースエンジニアリングしてレンズを設計するのが社是のシグマが、PENTAXのボディ設計における社内基準を(とうぜん)理解できないまま(端的に言えば)現物あわせでモノをつくった結果だろう。ROMの解析と通信方式の解析だけでなく、ね。要するに、新製品のボディーは想定外だったと。

新型機においてマウント周囲、ペンタプリズムにつながる面が、なんらかの事情により従来機種よりレンズ側寄りに出っ張った。ただし、PENTAXとしては自社のレンズとの関係において、これは基準内の出っ張りだった。慎重に書くなら、出っ張った分を吸収するための切り欠きを自社レンズとの兼ね合いで設けた。たぶん、うんうん。だが、サードパーティーが勝手につくったレンズまで世話をする義理はPENTAXにはない。というか、サードパーティー製レンズの設計時の基準なんてPENTAXは知らない。

で、これはもうしょうがないというかシグマが頑なにカメラメーカーの知的財産に配慮しないというのだからまたやらかす可能性を否定できない。なぜなら、各カメラメーカーでマウント周囲の造形が今までと変わるのはあり得ることだからだ。ただし、各カメラメーカーは自社基準によって自社のレンズは無問題か、なんらかの特殊事情があれば事前に装着不可と告知できるだろう。このように、新型機にはナニナニの理由で装着不可とされた純正レンズはこれまでにもある。

他のサードパーティー製レンズはどうか。たしかにレンズのマウント部周辺のデザインが、カメラメーカーの基準から外れている可能性はある。レンズをOEMで供給しているレンズメーカーは、供給先の設計時の基準を知っているだろう。いや、知っている。ただしすべてのカメラメーカーにレンズを供給しているレンズメーカーはない。だから、他社がやらかす可能性はある。なのだが、シグマに同情する気はさらさらない。

私がおかしいと常々言ってきたのは、シグマはカメラメーカーのレンズ内ROMや通信方式をリバースエンジニアリングをしておきながら、自社が販売または配布するソフトウエアの逆コンパイルとリバースエンジニアリングを禁止していることだ。もしリバースエンジニアリングが社是なら、自社が販売または配布するソフトウエアはオープンソースにして釣り合いが取れるのではないか。他社の知的財産(まあROMについてだけれど)は絶対買わない、しかも自社の知的財産はただでは使わせないってどうなの、と。たしかにレンズとの通信方式をリバースエンジニアリングによって解析しコピーしても、シグマはなんだかんだ言っても勝訴している。勝訴している以上、法的に問題ないとされた訳だが道義的にはどうなのかである。ここまで社是を徹底するなら、話は戻るがシグマはソフトもハードもオープンソースにしたら如何だろうか。

PENTAXの当該機は主要輸出国同時発売なのだろうか。集団訴訟とか嫌な話は聞きたくないよね。

追記.
私はライカ判デジタルはNIKONを使用しているので同社周りのことを書けば、一部のレンズをタムロンがOEM供給している。ニコン用ではないけれどツァイスのBatisはタムロンが製造している。設計もたぶんタムロン。ツァイスと言えばコシナ。コシナはニコンにフィルム一眼レフボディーをOEM供給している。ということで、タムロン、ツァイス、コシナの各ブランド(あるいは設計のレンズ)は何らかの事故は起こりうるかもしれないが、NIKONについては安全度が高いだろう。サードパーティー製レンズの使用は、危険と不都合が何かと隣り合わせているのだ。

Fumihiro Kato.  © 2016 –

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・スタジオ助手、写真家として活動の後、広告代理店に入社。 ・2000年代初頭の休止期間を除き写真家として活動。(本名名義のほかHiro.K名義他) ・広告代理店、広告制作会社勤務を経てフリー。 ・不二家CI、サントリークォータリー企画、取材 ・Life and Beuty SUNTORY MUSEUM OF ART 【サントリー美術館の軌跡と未来】、日野自動車東京モーターショー企業広告 武田薬品工業広告 ・アウトレットモール広告、各種イベント、TV放送宣材 ・MIT Museum 収蔵品撮影 他。 ・歌劇 Takarazuka revue ・月刊IJ創刊、編集企画、取材、雑誌連載、コラム、他。 ・長編小説「厨師流浪」(日本経済新聞社)で作家デビュー。「花開富貴」「電光の男」(文藝春秋)その他。 ・小説のほか、エッセイ等を執筆・発表。 ・獅子文六研究。 ・インタビュー & ポートレイト誌「月刊 IJ」を企画し英知出版より創刊。同誌の企画、編集、取材、執筆、エッセイに携わる。 ・「静謐なる人生展」 ・写真集「HUMIDITY」他
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