画像周りの作業をするためのOSX環境づくり3

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デジタル画像を扱うえで、完成画像の保存形式と保存(ストック)方法は重要な課題のひとつだ。

「どのような画像形式で保存するか」は「どのような方法で保存(ストック)するか」と関連している。
1.完成した画像を原本として扱う場合
2.完成した画像をindexまたはサムネイルとして扱う場合
では、前記したように適した画像形式も適した保存(ストック)方法も変わると言えよう。ただ、いずれにしてもAdobe bridgeを使い、整理と検索を容易にしたいところだ。

「完成した画像を原本として扱う場合」、画像は劣化のない可逆圧縮形式を採用するのが順当だ。一般的な可逆圧縮形式といえばTIFFだ。TIFF形式は、ピクセルのマス目を一つ一つ生真面目に記述するためファイル容量が大きくなる一方で、柔軟性が高く将来的に廃れてなくなる危険性が低い。我々の存命中は、何らかのソフトウエアで開ける可能性が高い。
画像劣化がない画像形式としてAdobe photoshop形式があるが、photoshopのバージョンアップにともない互換性に配慮しているとはいえ「もしも」の懸念が残る。ソフトウエアに依存する、ソフトウエア固有の画像形式はさけたい人もいるだろう。こうなると、現在のところTIFFでの保存が無難ではないのか。

TIFFで問題になるのは、ファイル容量が圧倒的に大きい点である。

白ホリ背景、単色均一照明下の背景で撮影した写真画像では、背景の情報量がすくないためTIFFであっても驚くほど小さなファイルサイズに収まる。が、これがフルカラー 16bitの自然景観などであると、カメラの高画素化も相まって数枚で1Gになるのは珍しくもない。さて、これらをどのようにして保存するかだ。

第一回で図説したように、私はThunderboltからeSATA出力を取り5連装のハードディスクケースに接続している。

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eSATAは、Mac(PC)本体内でハードディスクへアクセスしているSATA規格の通信を外部に取り出したものだ。USBとの違いは、なにかだ。USBは出力する際にUSB規格のデータに作り直し、これをまた元に戻してハードディスクなどに記録している。eSATAは、先に説明した通りMac(PC)内部と同じように、データの翻訳と再翻訳を行わない。データを通信形式に合わせて翻訳、さらに元の形式へ再翻訳すると時間が掛かるだけでなく、元データとの不一致が稀に発生する。元データの不一致は画像の破壊より、ディスクそのものの破壊につながる例が多い。稀とはいえ、画像資産の安全性と、転送速度の高速性からeSATAはメリットが大きいのだ。

しかし、Mac各機にeSATA出力ポートは現在のところ実装されていない。そこでThunderbolt→ 変換/切替アクセサリ → eSATAということになる。Thunderboltからの 変換/切替アクセサリ の多くが他にUSB3.0、ディスプレイ信号が取れるようになっている。Adobe RGBディスプレイの増設にも役立つ。

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そして複数のハードディスクを収納できるケースだ。いまどきは画像のような10連装のものもある。この手のケースは、ドアを開ける、バルク品の3.5インチHDを差し込む、ドアを閉めるの一連の動作でハードディスクをインストール可能だ。3.5インチのHDはデスクトップPCに使用されているもので、流通量も品数も豊富である。私は過去のディスクは別にして、新たに購入する場合は容量6TBにしている。なぜなら、RAWデータ、TIFFデータの肥大化に対応するためである。複数のハードディスクを収納できるケースのメリットは、配線と電源の簡略化、増設の容易さ、ハードディスクを用途に応じて使い分けるうえでの管理の容易さがあげられる。またMac OSでは、ハードディスクの容量制限がないので製品があるなら何TBのディスクであってもマウントすることが可能である。

次は「完成した画像をindexまたはサムネイルとして扱う場合」を考えたい。
RAWファイルAから、完成形A’を出力し、A’を納品したとする。あるいは何らかの用途に用いたとする。このとき、RAW現像ソフトに現像の仕様が残るはずだ。RAWファイルAさえ保存してあるなら、A’をストックしておかなくても、いつでも現像ソフトでA’を書き出すことが可能だ。ただし、A’がどのような画像で、いつ書き出したか一覧、検索できないのは甚だ心もとない。そこで軽量なJPEG形式でA”を書き出し保存しておくのが、「完成した画像をindexまたはサムネイルとして扱う場合」である。

やはりこの場合も、Adobe bridgeが一覧、検索に便利だ。他にも画像を一覧したり検索するソフトウエアが存在するが、微に入り細に入り使い勝手がよいうえにAdobe フォトグラファープランを契約しているなら手にはいるAdobe bridgeを使わない手はない。

容量が大きいTIFFと比較し、indexまたはサムネイル用のJPEG画像となれば圧縮率を相応に大きくしてかなりの減量化できる。indexまたはサムネイル用と割り切るなら72dpiまで解像度を落としてもよいだろう。こうなるとRAWファイルの保存に注力すればよいことになる。

 

Fumihiro Kato.  © 2016 –

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